【日本理化学工業(株)大山社長】講演会
従来、企業の取り組みとして、お客様第一など顧客満足度(CS)の向上が注目されていましたが、
昨今は、従業員満足度(ES)という言葉も浸透し、さらには従業員エンゲージメントという言葉も聞かれるようになりました。
今回は、社員(従業員)の定着促進や生産性向上を考えるうえで、この従業員満足度と従業員エンゲージメントについて、取り上げたいと思います。
■従業員満足度
多くの企業が、顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)の向上は考えているかと思いますが、それは、従業員が無理をしたり犠牲の上に成り立つのではなく、従業員満足(ES:Employee Satisfaction)があってこそのものと捉えられるようになり、「ESなくしてCSなし」という言葉も聞かれます。
具体的には、仕事内容や給与等の待遇面、福利厚生、職場環境、人間関係…等々が、その指標として挙げられます。
■従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメントは、会社への愛着、信頼感、貢献意欲がある状態とされ、居心地の良さともいえる従業員満足とも、会社へ忠誠心を示すロイヤリティとも異なるものです。
あらためて、従業員満足度と従業員エンゲージメントの違いや関係性を考えてみると、
単に従業員にやさしいだけの会社になってしまったり、従業員満足度が向上したからといって、必ずしも会社の業績に寄与するとは限らず、それには従業員エンゲージメントが必要と思われますが、従業員満足度が低いと従業員エンゲージメントも向上しないと考えられます。
整理すると、以下のようなイメージになるかと思います。
(1)従業員満足度の向上
↓
(2)従業員エンゲージメントの向上
↓
(3)顧客満足度の向上
↓
(4)会社の業績向上
いずれにしても、従業員満足度の向上は欠かせませんが、その上で、従業員エンゲージメントをいかに向上させるかは、各企業で工夫がなされています。
企業理念の浸透、納得感のある人事制度、社内コミュニケーションの活性化…等々、それぞれの企業の状況や特徴に合わせて、取り組んでみられてはいかがでしょうか。