【日本理化学工業(株)大山社長】講演会
今回は、社員のケアの1つとして、メンタルヘルス・ファーストエイドについてご紹介致します。
昨今、生涯で成人の4人に1には抱えるといわれるメンタルヘルス不調ですが、精神疾患は回復可能で、早期の対応は回復を促進すると考えられています。
そこで、もし社員の方などで、メンタルヘルス不調を抱えていた場合に、適切な対応で、不調期間を少しでも短く、早い回復・復帰を図れるように、メンタルヘルス・ファーストエイドということを知って頂きたく思います。
ファーストエイドとは、一般的に応急対応や危機介入といわれ、メンタルヘルス・ファーストエイドは、「こころの応急処置」といったイメージで、うつ病が疑われるような方に対して、専門家の支援による前に提供される初期支援になります。
実際の支援にあたっては、厚生労働省HPでも紹介されていますが、オーストラリアの Betty A Kitchener と Anthony F Jorm により開発された5つのステップからなる行動計画があります。
次の「り・は・あ・さ・る」と覚えるのがポイントです。
「り」リスク評価
自殺の方法について計画を練っているか、
実行する手段を有しているか、過去に自殺未遂をしたことがあるか、
自傷・他害のリスクをを評価しましょう。
「は」はんだん、批評せずに話を聞く
どんな気持ちなのか話してもらうようにしましょう。
責めたり弱い人だと決めつけたりせずに聞きましょう。
「あ」あんしんと情報を与える
現在の問題は、弱さや性格の問題ではなく、
医療の必要な状態であること、決して珍しい病気では
ないことを伝えましょう。
適切な治療で良くなる可能性があることも伝えましょう。
「さ」サポートを得るように勧める
心療内科や精神科など適切な専門家のもとへ
いくよう勧めてみましょう。
「心の問題が体に関係することもあるので、専門家に
心のことも相談してみましょう」といった言い方が、
受診への抵抗感を減ずるかもしれません。
「る」セルフヘルプを勧める
アルコールをやめる、軽い運動をする、リラクゼーション法
など自分で対応できる対処法を行うことによって、
メンタルヘルスの問題による症状が緩和されることがあります。
こうした支援は、上司や人事責任者だけでなく、同僚の立場でも期待されるところです。
ぜひ、これを機会にメンタルヘルス・ファーストエイドへの理解を深めて頂ければと思います。