【日本理化学工業(株)大山社長】講演会
これまで、生産性の向上に向けて、社員の「モチベーション」や「満足度」に関する考え方をご紹介してきましたが、今回は「欲求」という視点で取り上げたいと思います。
いずれも社員のやる気や動機付けに関するものですが、「マクレランドの欲求理論」というものがあります。
これは、従業員(社員)には、次の4つの主要な動機(欲求)が存在するという理論です。
■達成動機(欲求)
■権力動機(欲求)
■親和動機(欲求)
■回避動機(欲求)
※発表当初は3つの動機(欲求)で、後に回避動機(欲求)が追加された。
それぞれの動機(欲求)が強い人の特徴について、詳しく見ていきます。
達成動機(欲求)
・物事を自分の力でやり遂げたいと思う
・中程度のリスクを好む
・迅速なフィードバックを望む
権力動機(欲求)
・責任を与えられることを楽しむ
・他者をコントロール下におき影響力を行使しようとする
・競争が激しく、地位や身分を重視する状況を好む
・信望を得たり、他者に影響力を行使することにこだわる
親和動機(欲求)
・人の役に立とうと努力する
・他者からよく見てもらいたい、好かれたいという願望が強い
・心理的な緊張状況には一人では耐えられなくなる傾向がある
回避動機(欲求)
・失敗や困難な状況を避けようとする
・批判を恐れて周囲に合わせようとする
そして、各社員がどの動機(欲求)が強いか掴めると、それに合わせた職種や仕事の任せ方を考えたり、より的確なマネジメントが行えます。
例えば、
・達成動機(欲求)が強い社員には、
業績への意識も高いため、結果が数字で分かる営業職など、
・権力動機(欲求)が強い社員には、
部下のコントロールを行うマネージャーの業務など、
・親和動機(欲求)が強い社員には、
社交性が高いため、チームビルディングや接客等の対人業務など、
・回避動機(欲求)が強い社員には、
トラブル回避力が高いため、正確性が求められる事務職など、
どうしても、達成動機(欲求)の高い人が求められがちですが、この動機(欲求)が高いことと、能力が高いこととは異なります。
適材適所に社員を配置し、生産性を最大限高められるよう、こうした理論も参考にして頂ければと思います。