「ひきこもり」抜け出すために親や周囲ができること

倉持良信

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テーマ:ひきこもり

意外にも多い、中高齢者のひきこもり

社会とのつながりを持たずにひきこもっている人は、日本全国で100万人はいると言われています。

「ひきこもり」というと、思春期や青年期の不登校や出勤困難から始まるというのが典型例であるためか、比較的若い人たちに多いようなイメージをもつ方はいらっしゃると思います。

私自身もそのような印象でしたが、ひきこもり状態の長期化や派遣切り・リストラなどの退職が起因して、中高齢者の数も急速に増えているということが分かってきました。

内閣府が実施した実態調査(2019年3月29日発表)によると、中高齢者(40歳~64歳)のひきこもりは、61万3000人とのこと。

そうなると、過半数は中高齢者で占めているということなのでしょうね。

本人も苦しんでいる

まず強調しておきたいのは、本人自身は、ひきこもり状態から抜け出たいけど、それが出来ずにもがき苦しんでいるケースがほとんどだということです。

「早く外に出なくちゃ」「このへんで何とかしないと、もう間に合わなくなる」などと焦燥感に駆られ、

そして、学校にいけず、働けず、人との交流を断っている自分に対して、「怠け」「わがまま」「甘え」などと責め続け、「無意味な人間」「人間のくず」と自己否定しているのです。

家の中では、現実から逃避するため昼夜逆転の生活でゲームやインターネット、読書などをやっているが、決して楽しんでいるわけではなく、ただ時間だけを潰しているだけ。

まるで底なし沼に足を突っ込んでしまっているかのように、身動きがとれない状態の中で、親や周囲の期待を裏切っている自分を恥じているのです。

これは、本人にとって非常に大きなストレスとなっていることでしょう。

問題解決のためには

「家の中で居場所をつくる」ということが、最初の目標になってきます。

親や周囲から批判的な言動や叱咤激励を受ける状況下、あるいは腫れ物に触るような対応では、ますます追い詰められていきます。

時おり、本人が、家庭内暴力や物を破壊するといった問題行動を引き起こすこともありますが、

それは、自分の気持ちを理解しない親や周囲に対する反発であったり、見離されたという気持ちで自暴自棄になってしまう結果なのです。

家族に受け入れてもらっている、家族が自分を大切に思ってくれている、と感じられる環境をつくる、つまり、本人が安心して居られる場所(安全基地)をつくれるどうかが、ひきこもり状態から抜け出す鍵になってくるわけです。

また、それと同時に、「本人の気持ちを吐き出すための存在」も必要となってくるでしょう。
本人は、ひきこもりをしている間、なぜ自分がこんなことになってしまったのかと考え続けています。

「甘やかされて育てられたから、何やっても出来ないんだ。」「注意ばかりされてきたので、いつもマイナス思考でしか考えられないんだ。」など、親や周囲に責任転嫁して自己を防衛しているのです。

その親や周囲に対する思いを吐き出す場があり、そして、それを受け止める存在がいることで、気持ちが整理され、自分と向き合えるようになるのです。

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行政書士の資格を持ち、夫婦関係のトラブルは心理カウンセリングから法的問題まで一貫してサポート可能。常に女性心理カウンセラーも同席し、カウンセリングには二人体制で相談者の心の悩みに耳を傾ける。

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