記憶に残るサイン看板の作り方
「ユニフォームはどこに頼んでも同じでしょ?」
スポーツチームの担当者の方から、こういった言葉を聞くことがあります。
しかし、本当にそうでしょうか。
試合当日、会場に集まったチームが似たようなデザインのユニフォームを着ていたとき、観客やメディアはそのチームを見分けられるでしょうか。選手自身は、そのユニフォームに誇りを感じられるでしょうか。
私は静岡市葵区を拠点にスポーツチームのユニフォームデザインを専門に手掛けています。
サッカー、野球、ラグビー、バスケットボール、バレーボールなど、多様な競技のチームのユニフォームを設計してきました。
今日は、ユニフォームがなぜチームのブランドであるのか、そして「かぶらないデザイン」を実現するためのプロセスをお伝えします。
ユニフォームブランディングとは?
ユニフォームブランディングとは、チームの想い・伝統・地域性をユニフォームというビジュアルに落とし込み、チームの存在感と独自性を高める取り組みのことです。
単に「カラフルにする」「ロゴを入れる」というデザイン作業ではなく、チームが「何者であるか」を視覚的に表現する戦略的な活動です。
プロスポーツの世界では、ユニフォームはチームの収益源の一つであり、選手のモチベーション維持、ファンとの感情的なつながり、メディア露出の際の認知度向上など、多面的な役割を担っています。アマチュアチームやスクールスポーツにおいても、ユニフォームが選手の一体感や誇りを醸成することは変わりません。
私が強調したいのは、ユニフォームはチームが外部と接する最も日常的な「顔」だという点です。
試合会場で、SNSで、テレビ中継で。ユニフォームは常に最前線に立っています。
その顔が「どこかで見たことがある」では、チームの印象は薄れます。「あの特徴的なデザインのチームだ」と認識されることが、チームブランドの確立への第一歩です。
「かぶらないデザイン」を実現する、競合リサーチのプロセス
私がユニフォームデザインの依頼を受けたとき、最初に行うのはデザイン制作ではありません。
依頼チームと同地域にある他チームのユニフォームを幅広く調査することから始めます。年代・競技を問わず確認し、柄や配色の重複を避けるための土台をつくります。
この競合リサーチが必要な理由は明確です。デザインは感覚だけでは独自性を保証できません。
「この配色のチームは地域にまだいない」という根拠があって初めて、本当の意味でのオリジナルデザインが完成します。
既存の柄や配色パターンを変えるのではなく、チームに合った一着を形にするというのが私の基本姿勢です。
競合リサーチに加え、チームの伝統や方針についても丁寧にヒアリングします。
「創立からずっと変わらないカラーを大切にしたい」「若い選手が増えてきたので、これまでより動きのあるデザインにしたい」。
こういったチームの声を吸収することで、デザインの方向性が定まっていきます。
必要に応じてチームの練習や試合を現地で見学し、実際の雰囲気の中でロゴ・背番号・選手名の視認性なども確認します。
国内外の数万種類のウェアを観察した経験が設計の礎
私自身、10年近く野球に打ち込み、その後も各種競技を体験したり、観戦し続けてきた筋金入りのスポーツ好きです。国内外のチームや選手が着用する数万種類ものウェアを観察してきた経験が、デザインの発想の源になっています。
この経験は単なる「好き」にとどまりません。数万種類のウェアを見てきたことで、「どの競技のどの地域でどんなデザインが多く使われているか」というデータが蓄積されています。
新しい依頼が来たときに「このパターンは●●の競技では多いが、バスケットボールでは珍しい」という判断が直感的にできます。これが競合リサーチと組み合わさることで、根拠のある独自デザインが生まれます。
さらに、大学の建築学科から専門学校の内装デザイン、設計事務所での展示会ブース・商業施設・住宅設計まで積み上げてきた実務経験が、ユニフォームの「空間的な構成力」に反映されています。
ユニフォームは着る人の体を「キャンバス」として、動いたとき・静止したとき、遠くから見たとき・近くで見たとき、それぞれで最も効果的に見えるよう設計する必要があります。この立体的な視点は、平面デザインだけの経験では得にくいものです。
全国選手権出場、国体制覇。デザインがチームの結果につながった事例
ユニフォームデザインの仕事で、私が最も心を動かされるのは、担当したチームの活躍をメディアで知る瞬間です。
ユニフォームのロゴとエンブレムのリニューアルを手掛けた高校サッカー部が、その年の全国選手権に出場しました。新しいユニフォームでピッチに立つ選手たちを見たとき、デザインが単なる「衣類」ではなく、チームの一部になっていると感じました。
また、大阪の高校ボクシング部が国体を制した際には、私が担当したTシャツ姿で中継に映ったこともあります。そのボクシング部とは現在も交流が続いています。
こうした経験から確信していることがあります。良いユニフォームデザインは、選手のモチベーションを高め、チームとしての誇りを育て、外部への印象を変えます。
それは数値で測りにくいものかもしれませんが、「新しいウェアに袖を通し、喜ぶ選手の表情」を見るたびに、デザインの持つ力を実感します。
ユニフォームデザインを専門とするデザイナーが少ない理由
ユニフォームデザインを専門とするデザイナーはまだ多くありません。
一般的なグラフィックデザイナーがユニフォームを制作することはできますが、競合チームのリサーチ・競技ごとのデザイン傾向の把握・着用時の見え方の立体的な設計・プリントデータの制作まで一貫してカバーできる専門家は限られています。
私がこの専門分野に入ったきっかけは、息子が所属するサッカーの少年団のユニフォームの刷新を任されたことでした。その後、ユニフォームをデザインしたフットサルチームの対戦相手から「なかなか他で見かけないのでうちのも作ってほしい」と問い合わせをいただいたことで、この仕事の需要を実感しました。
現在は川口市の総合スポーツクラブ(野球・バスケ・ハンドボール・ソフトテニスなど11チーム擁する)の専属デザイナーを務め、東京・神戸・愛媛・福岡など全国各地からの依頼も受けています。
プリント用データの制作まで一貫して担うことで中間コストを削減し、手頃な価格で提供できることも、通常のユニフォーム制作サイトとは違うフリーランスの強みです。チームや選手の個性を引き出す取り組みが広がっていくことを願いながら、一つ一つの依頼に丁寧に向き合っています。
ユニフォームはチームへの最初の投資
ユニフォームは「消耗品」として捉えられることがありますが、私はそれを「チームへの投資」として考えてほしいと思っています。競合と重複しない独自デザイン、チームの想いや伝統を反映したビジュアル、選手が誇りを持って着られる一着。こういったユニフォームは、チームの文化と一体感をつくり出す資産です。
L.P.Design 静岡では、静岡市を拠点に全国のスポーツチームのユニフォームデザインをお引き受けしています。「うちのチームも独自のユニフォームを持ちたい」「既存のデザインをリニューアルしたい」という方、相談は無料ですので、気軽にご連絡ください。


