EXP・Jの雨漏りケース(4)
瓦棒葺き屋根は板と板をかしめる嵌合式と呼ばれる方法で成形されています。
つまりシームレス(継目が無い)ではないという事です。
金属だから伸び縮みがないと思われるかもしれませんが、熱による膨張収縮はありますし、風雨に晒された外部では素材自体の動きもあります。経年劣化でそのかしめの部分が開いてくると、勾配が緩い事も災いして、毛細管現象で雨漏りするのではないかと推測しています。
修繕方法としては、隙間を何らかの防水材で塞ぐという事が基本となりますが、長期間に渡る耐久性は期待出来ません。
となると改修工事がベターという事になりますが、予算が取れるまでに時間が掛かり、特に公共物件ではなかなか直ぐには工事が出来ないというのが現状ではないでしょうか。
(改修方法としては、金属屋根を被せるカバー工法、加硫ゴム系シート防水工法、超速硬ウレタン塗膜防水工法等、各社から専用の工法が発売されています)
限られた予算の中で何を優先するかとなると、物よりも人に直接関わる事が優先されるのは当たり前だと私自身も思いますが、雨漏りする建物は人を惨めな気持ちにします。
「雨漏りするような建物で私たちは暮らしているんだ」と。
現代日本で雨漏りする建物は欠陥だと言われています。
そんな生活環境を少しでも良くするお手伝いをしたい!
雨漏りをする建物に伺うとそんな気持ちが湧いて来ます。