薬剤師も使い方次第です
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
今日は私が飲んでいるお薬の紹介をさせて頂きたいと思います。
私の血中のコレステロール値は最近、正常値内に5年ぶりに収まってきたことは先日、紹介させて頂いた通りです。18時間断食とか色々やってもどうしてもコレステロール値は落ちませんでしたが、糖質コントロールを2ヶ月すると正常値内に落ち着いてくれました。
私が患者様にお伝えするように、何か内服のお薬を飲む前に、それが食事制限で解決できないか検討することが大切です。食事でそれが解決できれば、お薬は飲む必要はないわけです。
ただ、コレステロールの高さは動脈硬化などにつながるため長期的な視点に立てば問題ですが、特に自覚症状が何かある疾病(しっぺい)ではありません。
私の当面の悩みは、午前四時位になると目が覚めてしまう、ということでした。
どんなに疲れていても、翌日の仕事のことが頭をよぎると体が起きてしまいます。
それを抑えるためにかかりつけ医に相談して、デエビゴというお薬を飲むようにしました。
この眠剤の良い点は、自然な眠りに近い睡眠の感じを保ちつつ、寝起きもそんなに悪くない、という点です。その他、眠剤の中には、飲むと口の中に苦味なり感覚が残ったりするものもありますが、このお薬にはそういう欠点も少ない。
またこのお薬の働きの良い点は、強制的に眠気を生じさせるというよりも、知覚の覚醒作用を抑えることで、結果的に眠気を生じさせるという点です。よって、体に疲労物質が溜まっていたりすれば、自然に眠気を感じるようにしてくれるのです。
また、薬剤師の専門領域に薬物の「体内動態」の知見があります。お薬を飲んだ時、そのお薬が体の中でどのような経路を持つか?その点に着目するという点です。
添付文書によるとこのデエビゴの効果は、3時間程度、体内濃度を保ち、その後、徐々に体から変えていくという動態を示します。この動態が、人の眠りのサイクルにとってかなり効果的なのです。
私は本が好きだったり子供が多かったりして、どちらかというと夜型で時間を過ごしがちなのですが、22時半を超えたあたりに、このお薬を飲むと、気持ち的にはもっと起きていたいけど眠くなる。その睡魔に逆らったとしても、だいたい1時間くらいで睡魔に負けてしまいます。これは、このデエビゴというお薬の体内動態から言って理にかなった作用なのです。
お薬を飲み続けることは決して好ましいことではありません。私も飲まないで寝れる時には飲みません。また飲まないことで、お薬の量が増えることを予防することも出来ます。
お薬にとって大切なことは、その付き合い方を正しいものとするということです。そのような知識をこれからも患者様にお伝えしていけたらと思っています。