町で見かける地域包括支援センターって何するところ?
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
在宅医療に携わっていると多くの寝たきり、重度の要介護状態にある患者様に日々出会います。場所が施設であれ自宅であれ、介護者がご家族であれ看護師であれ、何か不測の事態が生じてしまうことは少なくありません。
寝たきりの患者様は身動きが不自由な形での生活を強いられていますから、日々、思うように体を動かすことができずストレスに向かわ合いざるを得ません。
1)入浴サービスの意義
そのような中で、ほんのいっときであれ、訪問入浴サービスを受けたり訪問医療マッサージを受けたりすることは生理的、心理的、そして社会的にもに大きな意味を持ちます。
入浴サービスは持ち込みの特別な器具を室内に設置し、お湯は専用車の車内で沸かして用意するもので、自宅内の環境に左右されずサービスを受けることが出来、患者様並びにご家族様に重宝されています。
入浴は心身ともにリフレッシュさせますが、その効果は以下のように分類することが出来ます。
2)入浴、清拭の3つの意義
❶一つ目は生理的な作用です。入浴であれ清拭であれ、汗や汚れを落とし体を清潔に保つことは痒みを抑え体調を整える効果を持ちます。
埃、ダニ、季節性のアレルギー原因物質、汗など、発疹症状を生じさせる要因は多い上に、体が不自由だと飲み物や食べ物が溢れて体に付着することも多いものです。
暖かいお湯に体が浸かることは体の深部対体温を上昇させ、その後それが低下することで深い眠りを誘うと言われています。
お湯に浸かると水の浮力によって体が浮き、関節な筋肉がほぐれ血流を促進し、老廃物の排出を促します。また水圧がかかることも静脈のポンプ機能を向上させることでさらに血行が良くなります。
❷二つ目は心理的な作用です。上記の生理的な作用は心の面でもリラックス感をもたらし、良い睡眠と共に健康状態を保つ事につながります。闘病生活の中にあっても明日への意欲を手にする事につながります。
❸三つ目は社会的な意義です。入浴は体臭を軽減させ、サービスを提供してくれる人や家族に対する負い目を軽減させてくれ、良いコミュニケーションを作り出してくれる事に繋がります。
3)口腔ケアはとても大切
入浴や清拭とともに重要なのは口腔ケアです。
口腔内を清潔に保つことは腸内環境を正常に保つ事につながると言われています。
口腔は咀嚼や嚥下といったエネルギー摂取の上で重要な役割を担うとともに、呼吸を成立させます。そしてコミュニケーションのための発語機能を担う重要な器官です。そのケアは言うまでもなく重要になります。
口腔ケアの直接的な目的は口腔内の細菌を除去することです。虫歯の発生や口臭を防ぎ、唾液の分泌も刺激して食欲を生じさせる事にも繋がります。
4)口腔ケアは誤嚥性肺炎を防ぐ
また意外と大切なのは、口腔ケアが誤嚥性肺炎の発生をも予防するということです。
実は口腔内の雑菌が肺に流れ込んで肺炎を生じさせることが多いのです。口腔内の雑菌が食べ物に混ざって肺炎を生じさせることもありますが、
ちょっと注意が必要なことは、口腔ケアで口腔を洗浄した時に、その洗浄に用いた少量の水が肺に流れ込んで肺炎を生じさせることもあるということです。
そのため最近は口腔ケアのために専用の拭き取り用の不織布が用いられることも多くなってきました。
介護の現場では、患者様が健康に過ごす事に配慮しなければならないことは多岐にわたるため、たとえご家族が看護をするとしても、介護サービスを受け、看護師やヘルパーから指導を受けることをお勧めします。