お薬の副作用対策について
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
今日は子供にお薬を飲んでもらうためのいくつかのやり方について説明させていただきたいと思います。
子供にお薬を飲ますのって、とても大変ですね。中には勢いでガツンと飲ませてしまうような昔の肝っ玉かあさんみたいな方もいるかもしれません(私はそういう飲ませ方もありかなと思ってます)。
だけどみんながみんな、そんな感じで飲ませられる訳ではありません。子供が薬を飲むのを嫌がる姿を見ると、どうしたらいいか分からなくなる方も少なからずいると思います。
1)製薬会社の工夫
実のところ子供にお薬を飲ませることについて、製薬会社も大変な苦労をしてお薬を開発してます。お薬の状態に加工をして、本来は苦味を感じるお薬にカバーをして甘みを持たせたり、粒の状態に工夫して味を感じにくくさせたりしています。
(三共第一ヘルスさんのホームページより転載)
それでも子供も、口に入った苦いお薬をついつい味わってしまったりすることも多くあります。
2)子供用の液剤、粉剤
処方を出される医師も、もちろん飲ませ方の苦労は織り込み済みですから、お薬を液剤で出したり、粉剤で用意させたりします(自分の子供が飲めるお薬のタイプについて先生に希望を出すことをお勧めします)。
子供達でも飲みやすいよう液剤や粉剤になっているお薬ですが、飲ませ方自体に工夫してあげるとより効果的です。
最近は子供に漢方薬を飲ませたいと希望される方も増えてきました。漢方薬は味の強めなものも多いですが、子供にも負担の少ない漢方薬もありますので、医者や薬剤師に相談の上、以下のようなものを選ぶのも良いでしょう。
3)服薬ゼリーなど
最近人気なのは、お薬の服薬ゼリー。龍角散のものです。テレビで開発者は女性の方と紹介されておりました。実際に子育てした経験を活かしてメガヒット製品を生み出されたとのことでした。
その他、チョコレートクリーム、ミロなどの麦芽製品、アイスクリームなど使って飲ませてあげるやり方が効果的です。
4)お薬との組み合わせは色々
実は子供にお薬を飲ませるにあたって利用するジュースやプリンなど、各地の医療機関が独自に検査して発表してくれている情報が多々あります。
たとえば国立成育医療研究センターは以下のような情報を提供してくれています。
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/medicine/nomiawase.pdf
これを見ると分かるように、実際のところ、処方されたお薬とジュースなどの組み合わせって、お薬の性状との関係でまちまちで、「これだったら大丈夫!」みたいなものは余りありませんね。
でも上記で紹介したプリン、アイスクリームなどは広く有効ですので、一度ご両親がほんの少し味見してみて子供にあげるのをお勧めします(プリンはあらかじめクラッシュし、その上でお薬を混ぜてください。お薬を入れてもクラッシュしないと十分に味をマスクすることができませんし、一緒に混ぜるとお薬が溶けて味が強くなってしまうことがあります)。
5)口蓋を伝わせて飲ませてあげて下さい
その他、味を感じる舌の上に乗せるのではなく、口蓋(口の中の上の壁)に沿わせるように入れてあげると、喉を伝っていくので味を感じにくいそうです(以前、経験豊かな看護師さんが教えてくださいました)。
ともあれ子供がお薬を飲んでくれなければ、せっかく病院に受診したのも無駄になる面がありますので、色々と試して頂きたいです。
今後も皆様に役に立つ情報を提供していきたいと思ってます。