認知症で独居、ご家族は海外赴任中の患者様
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
今日は介護保険証ってもらえるの?というお話をしたいと思います。
と言いますのも、介護保険証を持っていると何かメリットがあるのならそれを早く手にしたいと、誰もが思うからです。
自分が当然の権利として持っているものであるなら、もちろんそれを1日も早く手にして活用した方が良いし、それは推奨されるべきものでもあります。
でも、実は介護保険証を受け取ることについては少し条件があります。
1)介護保険証の種別
そもそも介護保険証の種類は2つに分かれております。65歳以上の受給者には自動で発行されますが、40歳以上65歳未満の方については、発行の必要性が認定されなければ(つまり要介護や要支援の状態に至ったと市町村が判断されなければ)発行されまさん。
65歳以上の方に発行される場合であっても、要支援、要介護状態にない場合、介護区分等が空欄になっています。介護保険証を持っているとしても、実際に「認定」が役所からおりていなければ効力は持たないというわけです。
2)介護認定の受け方
介護保険証が発行されている65歳以上の方については、要介護等の申請時に介護保険証を提出し、介護認定の申請書を提出することになります。
それに対して64歳以下の被保険者で、もしも要介護認定などの必要が生まれた場合には、申請時に介護保険証の代わりに医療証の提示が求められることになります。
要介護・要支援の状態は、いつ誰にやってきてもおかしくないものです。もしも何か障害が生じた場合には、早く認定が降りれば介護保険の恩恵をそれだけ受けることができるのですから、誰もが早く認定されたいと思うでしょう。でもその障害などの状態が6ヶ月以上、継続されているものと判定されることが必要です。
申請後、介護認定審査会が被介護者の主治医意見書などをみて判定をする手続きとなってます。
3)認定のための手続き
要介護・要支援の認定のためには本人でなくても家族が代理人となることが出来ますし、代理人が立てられない場合でも代行者を立てることも可能です。その代行者は以下となります。
- 地域包括支援センター
- 地域密着型介護老人福祉施設
- 介護保険施設
- 成年後見人
- 社会保険労務士
- 民生委員
- 居宅介護支援事業者
4)認定を行う人
介護や支援の認定がおりるためには認定調査員が、国が定めた「基本調査項目」に基づき調査をします。この基準は全国一律で、74項目あります。初回の認定については市町村職員もしくは指定市町村事務受託法人のみがすることができますが、更新認定については以下の人たちも可能です。
- 地域包括支援センター
- 指定居宅介護支援センター
- 地域密着型介護老人福祉施設
- 介護保険施設
- 介護支援専門員
(「申請」の場合には成年後見人や民生委員が含まれていましたが、認定に関してはもちろん含まれていませんね。)
5)「基本調査項目」
「基本調査項目」には以下のチェックポイントが含まれます、
- 身体機能・起居動作(麻痺等の有無、寝返り、歩行など)
- 生活機能(移動、嚥下、排尿等)
- 認知機能(意思の伝達、生年月日を言うなど)
- 精神・行動障害(作話、感情の安定性など)
- 社会生活への適応性(薬の内服、金銭の管理)
- 医療関連(定期薬の内服、継続的な医療行為の有無)
6)介護保険制度の恩恵を受けるために
要介護・要支援を受けるということは国の福祉事業の恩恵を受けるということですから、特定の、誰か特別な、その権利を特別に知っている人だけが受けることのできるといったものとは違っています。この福祉を必要とする人たちが、相応しい時期にこのメリットを滞りなく受けることが出来るように、地域に密着したサービスの提供を、行政が計画的に、行き届いた形で行なっていくということがとても重要なのです。
ふじやま薬局は居宅介護支援事業も行っております。ぜひ一度お問い合わせください。