全国どこの処方箋でも受け付けますって言いますが、実際のところはどうなの
富士市にて在宅医療に携わっているふじやま薬局の薬剤師の栗原です。
昨晩は久しぶりに夜間対応の患者様のもとに向かいました。
終業後、食事の先について暖かい夕飯を前にして電話を受け、改めて出社しました。誰もいない薬局の鍵を開け、パソコンを再起動し、データを打ち込んで、お薬を取り揃え、服用のために一包化の機械を動かしました。こういう働きも、家族の理解があってこそですが、何より電話の向こうの患者様の助けになれることを幸いに感じています。
今回の患者様には精神系のお薬が出ました。当初はまだ初回往診が先の患者様でしたが、不安定になり、急遽ご家族が連絡をされました。
お薬をお届けにあがってから30分後、改めて店舗にかかった電話の転送のベルがなりました。ご家族が「服用後、息が苦しい」と本人が言っている、とのことでした。
こういう場合、まずは当然、副作用症状を考えないといけません。お薬それぞれには副作用があります。お薬には主作用と副作用があります。主作用がお薬の服用の目的に適う作用ですが、同時にその作用が、目的としていない作用を生む。それが副作用で、好ましくない作用です(例外的に風邪薬には、その副作用も生かした処方もあります)。
お薬の作用から当然考えられる副作用をまずは疑わないといけません。
けれども今回の患者様の飲まれたお薬は、飲んでから5、6時間かかって作用するお薬ですので、飲んで30分で副作用が強く出るとは考えられません。
それでも考慮しないといけないのはお薬のアレルギー症状(アナフィラキシー含め)。患者様にこれまでお薬のアレルギーはなかったことと、精神系の患者様はお薬そのものに対してある種の恐れ(特に初めて飲むお薬に対して)がある場合が多いため、ご家族には「しばらく様子を見てください。そしてコレコレの症状がある場合はすぐに連絡してください。それまではご本人を出来るだけ安心させてください」とお声かけしました。
その後幸いなことにご家族から緊急の問い合わせはありませんでした。
薬剤師の働きは、お薬を調剤し整えて、本人のもとに届けるので終わりではありません。むしろお薬を飲んでから、そのお薬の働きを見届けていくこと。それが薬剤師の専門であるとも言えます。特に薬学部が6年制になり、かかりつけ薬剤師の働きが期待され、服用後のフォローアップが期待され、それに伴いお代金もいただく様になっているこの時代です。薬剤師の働きはこれからもっと、患者様にとって身近なものになっていくでしょう。
富士市近郊での在宅医療についてご関心と必要がありましたら一度連絡ください。今後ともよろしくお願い致します。