1人に寄り添う ーそこにある働き
誤嚥性肺炎という言葉を一度は耳にされたこともあると思います。高齢者にとってとても注意しなければならないトラブルの一つですが、意外と、これが思った以上に身近なトラブルだということを認知している方は少ないと感じています。
介護の現場で、身近な事故
最近、私どもの患者様がこの誤嚥性肺炎により、お2人、お亡くなりになられました。
お一人は、しばらく痰症状が続いていて、いつの間にか肺炎を起こしてしまったパターンです。痰が食道で絡んで肺に流れ込んだせいもあるでしょうが、それに伴い何か食べ物や飲み物を誤嚥してしまった可能性が高いです。飲み込む力が低下していたことと、認知状の問題も抱えていたことが大きな原因と考えられます。
もうお一人は、もともと輸液で栄養を取られていた患者様ですが、乾きを癒すため、また口腔内の洗浄のために口腔内用のスポンジに水を含ませて使用していたところ、少量の水分が肺に流れ込んでしまったとの医師の診断でした。
誤嚥性肺炎を起こしやすい方は?
寝たきりの患者様や認知症を患っておられる患者様は、常に誤嚥性肺炎の危険性と隣り合わせと言っても、言い過ぎではありません。
ちょっとした拍子に飲食物が肺の中に流れ込み、それがきっかけで肺炎を起こして亡くなられてしまうのです。介護で労を取られているご家族にも気をつけていただかなければならないのはもちろんですが、そうはいってもご家庭の事情で、焦って少し本人様に無理をさせてしまうといったことも十分起こりうることでしょう。
とろみ剤はとても有効な誤嚥性肺炎対策になる
こういう場合に意外と有効なのが、飲み物にトロミをつけることです。
とろみをつけると言っても、それほどトロトロとさせる必要はありません。
ほんのゼロコンマ秒、飲み込む時に時間がかかるように軽くトロミをつけるだけでも、誤嚥性肺炎の危険性を減らすことができると言われております。
乳製品にも有効なとろみ剤もあります
中には牛乳のような乳製品にも有効なトロミ剤もあります(写真は「つるりんこ 牛乳・流動食用」)。エンシュアのような処方経口栄養剤の他、お味噌汁、お茶などに使っていただけるよう、私どもの薬局では取り揃えさせていただいております。一度お問合せください。