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創業46年という長い歴史に培われた実績と敷居の低さが強み

親しみやすさがモットーの不動産鑑定のプロ

安本耕治

安本耕治 やすもとこうじ
安本耕治 やすもとこうじ

#chapter1

商社の営業マンから一念発起で不動産鑑定士の道に

 不動産鑑定士という職業は一般にはあまり馴染みがないかもしれません。「ごく簡単にいえば不動産の“適正な価格”を鑑定する仕事で、国家資格を持った専門家です」と話すのは中部不動産鑑定所の安本耕治代表。
「法律によって不動産鑑定士という国家資格ができたのが昭和38年で、先代(義父)が不動産鑑定士として同社を創業したのが昭和41年ですから、県内でも不動産鑑定の草分け的な存在といっていいでしょう。」
 平成22年に2代目として事業を引き継いだ安本代表ですが、前職は商社の営業マン。「20代後半の、ちょうどバブルが弾けて不安な頃、先代から不動産鑑定士をやってみる気はないかという話がありました。商社時代に宅地建物取引主任者の免許を取っていたので興味があり挑戦してみる気になったんです」
 しかし、不動産鑑定士は不動産関係の資格のなかでも一番の難関。弁護士や公認会計士と並んで三大資格と評されることもあります。「商社を辞め、先代のもとで仕事をしながら勉強を始めました。最初は通信教育で勉強し、平成7年に受験したのですが失敗。さすがにショックで、その後、東京の専門の予備校にも週3日通い、1日14時間くらい勉強しましたね。結果、翌平成8年に2度目で合格。平成10年に不動産鑑定士として登録しました」
 不動産鑑定士の仕事を始めて14年目になる安本代表。「経験と実績を積み重ねるごとに社会的責任の重さを感じる日々」だといいます。

#chapter2

公的機関だけでなく法人や個人などあらゆるニーズに対応

 よく「公示地価」や「路線価」という言葉をテレビや新聞で見聞きします。いずれも国が実施する地価調査ですが、実際に調査に当たっているのが実は安本さんのような不動産鑑定士なのです。
「公示地価、路線価のいずれも土地取引や課税の指標になる土地の評価額で“適正な価格”を鑑定する私たちの重要な仕事。ほかに県市町村の依頼で固定資産税評価を行ったり、ローン破綻などで差し押さえられた不動産を裁判所が競売にかけるときの不動産の鑑定評価も行っています。不動産鑑定士という名前はあまり馴染みがないかもしれませんが、意外と身近な存在なのです」
 同不動産鑑定所では国や地方自治体などの公的機関だけでなく企業や個人といった民間からの依頼にも積極的に対応しています。
「たとえば法人とその関連する個人との不動産取引で、適正な取引であることを証明する税務上の資料として私たちが査定し作成する鑑定書は重要ですし、法人が不動産取引をする際に、株主に対する説明資料としても役立ちます。また金融機関が、担保価値の評価をする際、ホテルや旅館、ゴルフ場、商業施設といった大型事業用物件など査定が複雑で難しいこともあります。そういうケースにも、高度な知識と経験を持った私たち不動産鑑定士が査定する適正な評価額によって担保価値の把握が容易になるはずです」

安本耕治 やすもとこうじ

#chapter3

不動産の悩み事に高度な知識と親しみやすさを持って

 個人でも、不動産を売買したり持っていると固定資産税・都市計画税や相続・贈与税の対象になることはご存知だと思います。その土地が市街地か、農地か山林なのかといった地目によって違ってきたりします。「不動産に関してわが国にはとても多くの法律上の規制や緩和措置があり複雑です。ですから不動産に関する総合的な専門家としての不動産鑑定士の判断が必要な場合が多いのです」と安本さんは、ある依頼のエピソードを引き合いに話してくれました。
「税金の緩和措置がある市街化調整区域とそうでない市街化区域の境界線にある山林の所有者で、市街化区域の土地で算定されて相続税で困っているという方です。どちらに入れるかで地価が10倍以上もの差が出てくる。そこで私たちが査定し、鑑定評価書を税務署に提出、依頼主にとって有利な結果となったケースがあります。不動産で困ったときの“アンパイア”だと思っています」
 安本さんはラジオの人生相談を聴くのが好きなのだと言います。
「創業から46年という歴史で培われた豊富な実績、経験が私たちの大きな強みでもあります。不動産についての悩み事だったら気軽に相談していただければ“人生相談”みたいに答えられると思います。私たちの報酬は鑑定評価書を作成して頂くもので、相談は無料です。敷居は限りなく低くというのが私たちのモットーです。

(取材年月:2012年5月)

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