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3.11 今見直される宗教のあり方
~東日本大震災から学んだ事~
日本石材産業協会の年次大会に出席してきました。
日本の家族形態の変化、人の移動から地縁・血縁が希薄になり、宗教離れが起きています。
今回の震災で被災者の方が自らの身体を使って教えてくれた事、それはつながりの大切さです。
震災という経験を通した、用具としての墓石ではなく、
お墓の役割を学ぶワークショップに参加してきました。
講師は浄土宗無量壽庵住職・浄土宗西光寺副住職 樋口伸生 様
宮城県石巻市の被災地のお寺の副住職様が、被災時の模様をお話しされ、本当に悲惨な状態だったのだと改めて感じました。お寺の墓地の中に家やガレキなどが流されてきて、墓石は倒壊しめちゃくちゃになってしまった。お寺も床上浸水して、中はめちゃくちゃになり、この先自分はどうしたらよいのか途方に暮れたと話される。
そして副住職様は、東京にでも行って葬儀屋に雇ってもらおうとまで思われたそうです。
しかし、避難所で亡くなった人がブルーシートに覆われ車で運び出される時、その車を止め、とっさにお経をあげたと話された。そしてその時、僧侶の自分が被災地で自分のなすべき事がはっきりしたという。自分は僧侶として自分にできる事をするしかない!と思われたそうです。
講師は子供を亡くした親の話や、その子供に会いたいと自殺まで考えた人の話や、生きているのがつらいと自殺を考える人の話、胆略的になってしまう人間。だから神様仏様が必要なんだと語る。助けを求めるところが必要になるんだと・・・。
「葬式は死者への諦めの儀式ではなく、残されたものが、これから生きていく誓いをする式なんだ」とも話された。
私たちが今まで普通にやってたお葬式の考え方が、被災地の人たちにとっては別の意味があったのだと思い知らされました。
被災地の事はテレビなどで報道されるので、わかっているつもりでしたが、実はわかっているようで本当は全く理解していなかったのだと強く感じました。
日本石材産業協会では、全国から会員を募ってこの寺院墓地のお墓の復旧作業を何回かに分けてボランティアで行っています。自衛隊が大きながれきなどを撤去した後、地元の人たちや他のボランティアの方などと協力してお墓の建て直しを行っています。
どこのお骨かわからないものや、どこの家のお墓の石なのかわからないものもあり、難しい作業です。
まだまだ時間のかかる作業ですが、これからも復旧作業を進めていく予定です。
少しでも被災者の方々のお役にたてればという思いで行っています。
私共の会社でも、お墓を全国ネット販売をしている関係上、被災地の近隣からのお墓の建て直しの依頼や、お墓の見積もりなどの依頼が入ってきています。
色々なところを探して弊社にご相談された方もいらっしゃったり、悩み事をお聞きしたりしております。
少しでも復旧に協力できればという気持ちで、仕事をさせていただいております。
数年前に、鳥取県西部地震を経験しているので、あの時もお墓の建て直しや、墓所の地盤改良など色々な事をやった事を思い出しました。
あの時でさえ自社で行ったお墓の復旧作業はだいたいが終わるのに3年くらいかかったと記憶していますから、東北の被災地では何年かかるのか想像もつきません。
しかし、いつかきっと震災前以上の素晴らしい東北になる事を祈っています。
最後に
今回のワークショップで学んだ事を、これからの人生に仕事に生かしていけたらと思います。