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定着してきた心理療法「認知行動療法」について

安達嘉信

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 「認知行動療法」は、うつ病や不安障害などの病気はもちろんですが、対人関係、仕事のプレッシャー、受験やスポーツ大会のプレッシャーなど、何かの困難にぶつかった時にそのストレスを乗り越えていく“心”の操作方法です。

 人は生まれた環境も育った環境も違います。それだからこそ、正確や考え方の違いがあり、それが個性となっています。そして、誰もが自分の個性ともいえる自分自身の《心のメガネ》を通してあらゆる現実を見ています。
 例えば、Xという事実があったとしたら、AさんとBさんの《心のメガネ》は異なりますから、Xに対する感じ方や考え方は違ってきます。
「認知」とは、この現実の事実の受け止め方や見方や考え方のことで、この「認知」の捉え方を変えることで、心のストレスを軽くしていくものです。


 認知療法の中で重要なキーワードとなるのが、「自動思考」というものです。「自動思考」とは、何かの現実があった場合に、自分の頭の中に瞬間的に浮かんでくる考えや気持ちやイメージのことをいいます。

 例えば、会社の上司がしきりに咳払いをしているとします。それを見たあなたは、「やばい、俺は何か失敗をしてしまったんだ。ものすごく叱られるに違いない」と思い、胃がキリキリと痛み出し、机から頭を上げられない状態になったような場合です。

 これは以前、上司が咳払いをした後に、ひどく叱られた経験があるため、上司がしきりに咳払いをする――――>叱られる と瞬間的に考えてしまったわけです。

 しかし、上司は本当にカゼ気味で、単なる喉の調子が悪いだけかもしれません。「上司は今日、喉の調子が悪そうだな」と考えずに、自分勝手に『仕事でミスをしてしまったかもしれないので叱られてしまう』と考え、自分でストレスを招いているわけです。


 現在、企業研修やカウンセリングルームでも、この「認知行動療法」をお伝えしています。
私が所属している「独立行政法人 労働者健康福祉機構」(松江市朝日町477-1、0852-59-5804) で研修を受け付けていますので、関心のある方は連絡してみてください。

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安達嘉信(講師)

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