物流の営業力強化をオールラウンドに支援するプロ市川尚史

物流の営業力強化をオールラウンドに支援するプロ

市川尚史

企画営業、人材育成、営業代行を手掛け、実効性のあるサポートで伴走

　人手不足に加え、トラック運転手の残業時間が規制されるなど、岐路に立つ物流業界。激変する経営環境の中で成長するために、営業力の強化は欠かせない要件です。

　「売り上げをアップさせたいが人的に課題がある」「業績目標を達成できず閉塞感が漂っている」と悩む企業の力になるのが、「シンシアンクス」の代表で、物流コンサルタントの市川尚史さんです。

　「物流の営業では、受託現場の管理者、ドライバー、倉庫スタッフとの連携が必要不可欠。たとえ営業が新規案件を獲得できても、実務部隊と歯車がかみ合っていなければ、最悪お客さまが望む物流サービスが提供できない状態に陥ります。ここが営業に圧倒的な責任と権限がある物販営業と物流営業との決定的な違いです」

　物流の実務を改善する物流コンサルは多数存在しますが、市川さんは営業活動を含めた外交活動全般を改善するためのコンサルティングに特化。物流会社で約23年間勤務した経験を生かし、自身を即戦力となる営業代行のほか、企画営業、人材育成もこなします。
　「いわゆる「どぶ板営業」のような泥臭い活動から大手企業への提案まで、オールラウンドに支援します。地域によって異なる商慣習も考慮。お気軽にご相談ください」

　社名にある「sincere」は英語で誠実という意味。その名の通り「物流営業にごまかしやその場しのぎは通用しない」と市川さんは提言します。
　「物流事業者は全国に約6万社あり、そのほとんどが中小企業。クライアントとともに走り、きれい事だけではない、実効性のあるサポートをしていきます」

属人的な外交力から脱却するスキルを伝授し、時代を見据えた“仕掛け”を提案

　「営業代行では、ターゲットの選定からクロージングまでを一貫して支援いたします。強いエリア、得意とする商品など、お客さまの強みを分析して提案、成約するフローを固めていきます。結果にコミットしなければならず、プレッシャーは大きいですね」

　2023年5月にシンシアンクスを立ち上げた市川さん。当初は事業が軌道に乗るか不安もありましたが、起業後すぐに営業代行で成果を出せたことが自信につながったと言います。

　企画営業では、トラックによる貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶に転換するモーダルシフトなど、時代を見据えたさまざまな“仕掛け”を立案。鉄道貨物の混載サービスでは、複数の顧客が一つのコンテナを共同利用することで、1社あたりの輸送費を抑えました。

　「営業人材の育成では、クライアントの希望に応じてプログラムを作成。『外交力は属人的なもの』といった固定観念を覆すことを念頭に置き、標準化に必要なスキルや知識を伝授しています」

　自身が客先を訪問する際に随行してもらうこともあり、教えを受けた人たちからは「これまでの手法と全然違った」「プレイングマネジャーとしてどんなミッションにも対応してくれる」との声が寄せられているとか。

　「荷主企業に対して物流に関するアドバイザー業務も行っており、適切なコストで効率的な輸送方法をご案内しています。物流企業との様々な交渉に立ち会うこともあり、持続可能性の高いサプライチェーンの構築をお手伝いします」

物流会社で培った営業のノウハウを伝授。成功体験を積むことで人材を底上げ

　市川さんが前職の物流会社に入社したのは就職氷河期の2000年。当初は運行管理などにも携わって現場の仕事の理解を深め、時には自らハンドルを握ることもあったそうです。

　「自分が所属している営業所は赤字続きの中、国際物流の部門は黒字でボーナスも多く出ていたのを目の当たりにしました。何とかしたいと思って上司に志願し、本来の業務の合間に顧客を訪問することに。見よう見まねの営業で、初めて訪れた京都の会社では、緊張のあまり名刺を持つ手が震えたのを今でも覚えています」

　毎月2社以上の新規顧客を開拓したことが会社の目に留まり、入社6年後に本社の営業本部に異動。自己流の営業スタイルと全く異なる手法にとまどいながらも、「考えることをしろ」という上司のアドバイスで論理的思考能力を磨き、表面化していない時代のトレンドやニーズを見抜く目を養っていきました。

　「営業畑を歩む中で、30代半ばの中堅社員から営業のやり方を教えてくれと頼まれ、週1回有志を集めたところ好評でした。『営業に取り組みたいが、手法が分からなくて悩んでいる物流企業の経営者や社員は全国にたくさんいる』と思い、独立を決意しました」

　今後は営業のノウハウを体系的に整理して、インターネットを介して提供することも検討。オンラインスクールやYouTubeによる解説動画など、誰もが気軽に学べる場を整備したいと話します。
　「気合と根性に頼る営業スタイルから脱却し、誰でも成功体験を積んでもらえるよう、これからも人材の底上げを図っていきたいです」

（取材年月：2024年6月）

物流企業の営業力強化を誠実に支援し、業績アップにつなげる

企画営業、人材育成、営業代行を手掛け、実効性のあるサポートで伴走

属人的な外交力から脱却するスキルを伝授し、時代を見据えた“仕掛け”を提案

物流会社で培った営業のノウハウを伝授。成功体験を積むことで人材を底上げ

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