耳鳴り・難聴と漢方 (2)

植松光子

植松光子

前回は、耳鳴りの原因や日常の注意点などをお伝えしました。今回は体質タイプ別での治し方や養生法についてお伝えしたいと思います。
(前回:耳鳴り・難聴と漢方 (1)

タイプ別耳鳴り、難聴の治し方

《ストレス過多の肝うつ》

*更年期、高血圧などの人はこのタイプを参考に。

このタイプの耳鳴りは突発的に起こる初期症状で、キーンという高音が特徴です。ストレスを発散させる「肝」を健やかに整え、早めに対処し、慢性化を防ぎましょう。

*主な症状
耳の症状:キーンという高音の強い耳鳴り、ストレスを感じると重くなる
その他の症状:偏頭痛、不安、イライラ、怒りっぽい、口の渇き

ためいき・頭痛
*食養生
~ストレスを発散させて、気の巡りを良く
菊花・柿の葉・緑茶・マイカイカ茶・セロリ・
ジャスミン茶・ミント など
※漢方薬:漢方専門家に直接相談しましょう。舌を見ると体質などがわかります。
セロリ・緑茶

《慢性化に注意、瘀血(おけつ)タイプ》

*動脈硬化症、慢性頭痛などの人はこのタイプを参考に。

「血(けつ)」は全身を巡って栄養や潤いを届ける物質。そのため、ドロドロ血や血管のつまりなどで「瘀血(血行不良)」が発生すると、耳にも十分な栄養が行き届かず、耳鳴りなどの不調が起こりやすくなります。
このタイプは耳鳴りが慢性化して聴力が落ちていることも多いので注意が必要。
瘀血の要因となる食生活の乱れ、身体の冷えなどを改善し、血流をスムーズに保つよう心がけましょう。

*主な症状
耳の症状:慢性的な耳鳴り、聴力の低下、めまい
その他の症状:頭痛、胸痛、健忘、しびれ、
顔色の黒ずみ、シミが多い
聴力の低下・頭痛
*食養生
~血管を健やかに保ち、サラサラ血流に
黒豆・なす・小豆・玉ねぎ・にんにく・紅花
わかめ・ひじき・サンザシ・酢・青魚 など
※漢方薬:漢方専門家に直接相談しましょう。舌を見ると体質などがわかります。
なす・魚・わかめ・玉ねぎ

《疲れやすい、胃腸虚弱タイプ》

*慢性胃腸疾患、貧血、病後などの人はこのタイプを参考に。
*主な症状

耳の症状:疲れると耳鳴りがする、聴こえにくくなる。
めまい、立ちくらみ
その他の症状:疲労感、倦怠感、食欲不振、軟便、
顔色につやがない
めまい・ためいき
*食養生
~胃腸を整え、気血を養う
大豆製品(豆腐、納豆など)・そら豆・いんげん豆
米・鶏肉・ぶどう・黒豆・竜眼肉 など
※漢方薬:漢方専門家に直接相談しましょう。舌を見ると体質などがわかります。
豆腐・米・そら豆・ぶどう

耳鳴りを感じたときは身体のどこかに不調が起きているサインと考え、早めに対処して症状を改善しましょう。
健やかなにすごせるようになりますよ。

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植松光子
専門家

植松光子(薬剤師)

有限会社ウエマツ薬局(漢方薬膳サロン ウエマツ薬局)

症状や悩みに合わせた生薬を煮出す「煎じ薬」を取り扱う漢方専門薬局。「ほっとできるサロン」としてアトピーや不妊のほか心身の悩みに寄り添い、薬膳の知識や適切なスキンケアをアドバイス。

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