冬の肌トラブル対策
〈1〉初めに
今「薄毛・抜け毛」に悩む女性が増加しています。
髪の毛は女性美の象徴です。
平安時代から髪の毛の長いのが美人の条件でした。顔は扇などで隠して、他人には見せないのが高貴な姫のたしなみでした。髪の毛の長さ、艶、ボリュームを見ればその人の女性度が推し量られるのです。
そんな大事な髪の毛が洗髪のたびに、どさっと抜けるのは心配ですね。
しかし、私 植松は女性の生理不順、不妊症などの漢方相談をしているとそれらの主訴がよくなると同時に髪の毛が増えた、つやつやしてきたという喜びの声を多く聞くようになりました。
なぜだろう、と考え、ふと思い当たりました。
血を増やし、体調を整え、それらの症状を治すことは髪の毛に良いからです。
そして漢方薬と養生(食事・睡眠・運動)などをしっかりやっていくことが髪の毛の薄毛、抜け毛の改善に効果が出る根本的なことだったのです。
〈2〉薄毛・抜け毛(脱毛)の原因を漢方で考えると?
<髪は血の余り>
漢方では「髪は血の余り」と言います。「血虚」といい、血が十分足りないと髪の毛に症状が出ます。ほかにもいろいろな要因があり、複雑に絡んでいます。
お産のあと、たくさんの髪の毛が抜けたのを記憶している方も多いことでしょう。
お産は多くの血やエネルギーを失い、「髪は血の余り」の言葉どおり、血が余らないからです。「母乳は白い血液」ともいわれるように、授乳中も食べたものが血になり、せっせと母乳を作るので、髪の毛は抜けやすくなっています。体力を保つために、生命維持に関係ない髪の毛を落とすのです。
卒乳すると体が楽になったという方も多いことでしょう。
<髪は腎の華(はな)>
髪の毛は漢方では「腎(生命エネルギー)」と関係があると考えています。「腎の華」
とは「腎」が元気に働いている様子を表します。
その「腎」の働きを「女性の体は7年で変化する」と表現します。
7歳:髪の毛が伸びる。
14歳:生理が始まり、妊娠が可能となる。
21歳:女性として成熟期が始まる
28歳:身体機能や生殖機能がピーク
35歳:肌や髪が衰え始める。
42歳:皺や白髪が増え始める。
49歳:閉経が近づき、妊娠能力を失う。
身体の中で髪の毛の状態は生理の状態を表します。
髪は女性ホルモンと大いに関係があります。
閉経は最近では50歳前後の方が多いようです。しかし40歳前半で生理の量が減り始め、ホルモン検査で閉経に近い、と言われるかたもいます。
そのまま閉経になりますと、髪の毛は薄く細くなり、黒く艶のあった髪の毛がトウモロコシのひげ根のように乾燥して細くなってしまわれる方もいます。
早い閉経は早い老化をあらわします。漢方薬やピルなどでなるべく平均年齢まで生理があるようにしたいものです。
<その他の原因>
髪の毛の状態は体調、生理、栄養状態に関係しています。
髪の毛の状態を重視し、その対策を早くしましょう。
体調、栄養、生理の状態が改善されれば、髪の毛の状態がよくなります。
●寝不足
また、授乳で夜何回も起きることがあります。
育児が終わっても家事や仕事などで夜寝る時間が遅くなります。
漢方では夜は「陰」で栄養を貯える時間、血を作る時間。
昼は「陽」でエネルギーを使う時間といいます。
車に例えていえば夜はガソリンを満タンにする時間、昼は「ビューン」と走る時間です。
ガソリンがたっぷり溜まっていないと昼走れません。
夜に血を貯えるから、昼元気に仕事ができるのです。
寝不足ですと、その血を貯えられないので、長期にわたると「血虚」になり、髪の毛に栄養がいかなくなります。
ダイエットや大病の後でも抜け毛が増え、また栄養のバランスが悪くても毛が細くなり、地肌は透けて見えます。
●ストレス
緊張が続いても抜け毛が増えます。緊張すると頭皮はつっぱって血流が悪くなるので、髪の毛の元、毛球が栄養を吸収できず、脱毛し、円形脱毛を起こすことがあります。
大事なことは「血」を増やし、「血」の流れを良くし増やすことです。
●血行不良は髪の毛に栄養が行き渡らず、薄毛、抜け毛の原因になります。
●頭皮環境の悪化は毛根の下にある毛球中にある毛母細胞の成長を妨げます。その結果薄毛、抜け毛の原因になります。
〈3〉薄毛・抜け毛(脱毛)の漢方の治し方
秋には落葉樹が葉を落とし、冬に備えて栄養を根に貯えます。
同じように髪の毛は生きていくためにはなくてもよいものなのです。そのため様々な理由で大事な血が不足してくると髪の毛を落とし、生えないようにして命を守るのです。
「髪は血の余り」と言われる通り、体に血が余ってくると初めてよい髪の毛が生え始め、美しく艶のある髪の毛になるのです。次の方法を実行していけば美しい髪の毛がよみがえります。
●髪の毛の治療で有名な漢方の人間国宝 中国 禤国維教授との出会い
数年前、私植松光子は中国広東省の漢方の人間国宝 髪の毛の治療で有名な国医大師禤国維教授について研修したことがあります。写真の後方でノートをとっているのが植松です。
先生のところには中国全土から、中には飛行機でいらしているかたもいました。
その先生に教えていただいた秘伝の漢方処方があります。その処方を使いながら体質の弱いところを治していきますと、次第に髪の毛が増え、つやがでて美しい髪の毛になっていきます。
●体質をどのように治すか?
1:血の不足や、血の流れが悪いと、生理不順、生理痛、生理前のイライラなどを起こすので、それらを治します。
婦宝当帰膠・冠元顆粒・駆瘀血丸・当帰・芍薬などの煎じ生薬
※こちらの商品はインターネット等による通信販売はしておりませんのでご了承ください。
2:不妊症などで基礎体温の低温期が高いときは「腎」が弱く、体の潤いが少ないので、卵子や髪の毛に栄養が十分いきません。低温期を正常にする漢方薬を飲むと髪の毛も増えて、つやつやしてきます。
二至丸・亀鹿仙・杞菊地黄丸・女貞子・旱蓮草などの煎じ生薬
3:更年期近くなると「腎」が弱り、抜け毛が多くなります。「血」の流れをよくして「腎」を丈夫にする漢方薬を飲みます。
杞菊地黄丸・逍遙散・二至丸・女貞子・旱蓮草などの煎じ生薬などを飲むと、それぞれの気になる症状がよくなり、血は増え、腎も整うので髪の毛も増え、つやつやした美しい髪の毛になって喜ばれます。
〈4〉薄毛・抜け毛(脱毛)に良い食事
〇髪の毛によい栄養素
●アミノ酸
髪の毛の90%以上はケラチンという蛋白質で出来ています。そのおおもととなるのはメチオニンという体内では生成できない必須アミノ酸です。そのメチオニンは体内でシステインに合成・変換され、血液によって頭皮まで運ばれ、頭皮でケラチンが合成され、髪の毛が作られるのです。
したがって大事なものは、アミノ酸です。
青魚には血流を促すDHAやEPAが多く含まれ、髪の毛を作る毛母細胞がある毛根に栄養が届きやすくなるといわれています。さらに髪を作るケラチンの生成を促すメチオニンというアミノ酸が含まれていて、高タンパク質ですのでなるべく摂りたいものです。
鮭缶など常備してアレンジしておいしく召し上がってください。
●亜鉛
亜鉛は頭皮に運ばれてきたシスチンをケラチンに合成する働きがあります。しかし亜鉛が足りないとケラチンが十分合成されず、髪の毛が生えてこなくなります。
亜鉛の一日摂取量は男性:11mg、女性8mgです。(日本人の食事摂取基準2020年版より)日本人女性は不足しているといわれています。
亜鉛は特に牡蠣に多く、その他は主に貝類・青魚・牛肉・鶏もも肉・納豆などに多く含まれています。
亜鉛の必要量を摂るために、牡蠣を毎日5個食べるのは、なかなか大変です。
髪の毛が気になる人は、亜鉛を含む牡蠣の健康食品「ワタナベオイスター」をおすすめします。
●気をつけなければならないのは、亜鉛などのミネラルを単品で含むサプリメントは吸収が悪く、逆に取り過ぎると副作用がでる恐れがあります。
合成品よりも自然界にあるものを丸ごと取った方が数100倍も効果がよい、とアメリカ で現代のアインシュタインと言われるT.コリン・キャンベルさんは著書「WHOLE」で書いています。
「ワタナベオイスター」は牡蠣をまるごと原料とした牡蠣肉エキスです。この牡蠣肉エキスについて、社長の渡辺貢博士は数々の論文を発表、受賞されていて信頼性のあるものです。
〇食べ方
●冷たいものはやめましょう。
胃の消化酵素は体温と同じくらいの温度で働くので、冷たいものを摂ると、せっかく摂った食べ物が消化できません。
魚や肉、卵などのたんぱく質は胃腸や小腸で分解、吸収され肝臓に行ってアミノ酸になります。
そして髪の毛のもと、ケラチンをつくります。
冷たいものの好きなあなた。髪の毛はパサついてはいませんか?
せめて氷水はやめましょう。
冷たいものをやめると胃の消化は良くなり、いつのまにか髪の毛に艶が出てきます。
ヨーグルトも冷たいので、どうしても欲しければ、ドライフルーツを混ぜて、喉で温めてから飲み込みましょう。
●早食いはダメ
アミノ酸は蛋白質が細かく分解されたもので、その蛋白質を分解消化するのは胃腸です。よく噛むことが大事です。慌てて食べるとよく噛まないので、蛋白質は小さくならないで、小腸や肝臓に行き、アミノ酸に分解できません。
アミノ酸から髪の毛ができるのです。
●胃腸を丈夫にすること
胃腸が弱いと、せっかく食べた食べ物が分解、吸収されず、髪の栄養になりません。
漢方の胃腸薬はその人の体質と胃腸の症状に合わせて選びますので、飲んでいくうちに胃腸も丈夫になり、体質も改善されます。そしていつの間にか髪の毛が増え、艶が出てきたことに気づくでしょう。
手助けとして「ササヘルス」がおすすめです。
葉緑素を多く含む、パンダが食べているササだけで出来た「ササヘルス」は日本唯一天然由来国産クマザサ抽出液100%です。
飲み方は症状によりますので、ウエマツ薬局ご相談ください。
〇髪の毛に悪い食べ物
脂っこい食事・
取り過ぎると皮脂の分泌過多となり、脂漏性脱毛の原因になります。
ファーストフード・揚げ物・三枚肉や霜降り肉、こま切れ肉など・ケーキ、牛乳の取り過ぎは避けましょう。チョコレートは髪の毛の生長を促す鉄分や亜鉛が含まれていますので、一口位はよいでしょう。
どうしても食べたいときは野菜も一緒にたっぷりとりましょう。
〈5〉その他
〇シャンプー
シャンプー剤は毎日使わなくても匂いません。
髪の毛が脂っぽい方は毎日使ってもかまいませんが、良質のものを使いましょう。
髪の毛が乾燥気味の方は界面活性剤で、さらに乾燥する恐れがあります。
当ウエマツ薬局で匂い探知機で全社員が実験したところによると、シャンプー後しっかり乾燥させれば2,3日は湯シャンでも臭いませんでした。
しっかり乾かさないと蒸れて、細菌が繁殖し臭うのです。
来店くだされば肌専門のスキンアドバイザーがあなたの肌に合ったシャンプーをおえらびします。
〇毛染めの代わりに
そろそろ白髪が出てくる年齢になると、毛染めをしたくなります。しかし続けていくと次第に髪の毛は腰がなくなり、艶もなくなっていきます。
それに悩んだ私 植松は毛染めをやめて白くなった髪にバイオレットシャンプーを始めました。おかげさまでつやが出て、毛の量も増え、ボリュームがでてきました。
久しぶりに会った友人が「ああ!びっくりした!女優さんかと思った」と言ったので、うれしくなって朝日新聞「声」欄に投書しましたところ、なんと採用されました。
見知らぬ方、男性からも女性からも「素敵ですね」とよく声をかけられます。
これは白髪の黄ばみ予防のシャンプーなのですが、続けていくと薄い紫色になるのです。なにより毛を染める時間がいらなくなり、助かっています。
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