冬の肌トラブル対策と漢方
目次
1:新型コロナウイルスについて漢方風邪薬が効いた、と報道
東北大大学院医学系研究科の高山真特命教授(総合診療)らの研究チームが
11月28日発表しました。
<発症から4日以内に漢方薬を使った患者は通常治療グループの患者より回復が早く、酸素吸入を必要とする重度の呼吸不全へのリスクが低かった>
●中国で使われた処方
1:胃腸型:藿香生気散
2:全般:風寒症状から風熱症状まで:清肺敗毒湯
日本にある処方なら:麻杏甘石湯+胃苓湯+小柴胡湯桔梗石膏
特徴:舌体:厚膩苔 痰が粘っこく詰まり、呼吸困難になる
喉の痛みが激しく、咳、痰が長引く
2:風邪・コロナ・インフルエンザの漢方の対処法
コロナも風邪もインフルエンザも「風」のように動くので、漢方、中医学では「風邪(ふうじゃ)」と呼び、風邪の治し方と同じです。
素早い対応が必要です。「変だな?」と思ったらすぐ飲みましょう。
3:風邪一晩で治す方法
ゾクゾク嫌な悪寒(風寒)がして汗がなかったら・・・
ピュアドリップ葛根湯(煎じ濃縮液)を熱湯200ccに溶かして飲む。
節々が痛かったら・・・麻黄湯
汗を出させるのがコツです。一枚上着などをはおりましょう。
汗が出れば気分がよくなり、風邪なら治ります。
煎じ濃縮液ピュアドリップ式葛根湯
熱感がして来たら風熱に変わってきています。
風熱感冒の銀翹解毒散などにすぐ変えましょう。
4:風邪・コロナの違い
〇コロナは寒気がしてからすぐに熱がでてきます。
寒気がなくなって熱感がしてきたら葛根湯、麻黄湯はやめましょう。
続けると汗が出すぎて止まらなくなることがあります。
脱汗といいます。
風熱感冒の銀翹解毒散などにすぐ変えましょう。
〇のどの痛みを伴う時・・桔梗石膏湯、板藍根含有製剤
〇咳が始まったら
麻杏甘石湯、麻杏止咳顆粒など併用。長引くので漢方専門家に相談してください。その人の症状に合ったきめ細かい処方が必要です。
〇食欲がなくなって、下の苔が白く厚くなったら・・・小柴胡湯、勝湿顆粒(藿香生気散)、五行草など
5:風邪・コロナ・インフルエンザの漢方の考え
人は常に自然界、気候の影響を受けています。
その自然界の気候変化を6種類に分けて六気と言います。
その自然界に異常気象が起こったり、人体の抵抗力が落ちていると発病してしまう。
それを六淫と言います。
六気:風・寒・暑・湿・燥・熱(火)
六淫:風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱邪
風邪・・風のように症状が早く動く・・
自然界から侵入する :外風・・風邪
身体の機能失調による
風邪の特徴を色で分けると
風寒:青い風邪
風熱:赤い風邪
風湿:黄色い風邪(胃腸型)
風燥:白い風邪(肺と関係するので)
6:風邪の症状に合った漢方薬
風寒感冒(青い風邪)・・・顔色が青い・悪寒 透明な鼻水・くしゃみ・肩が凝る・節々の痛み
汗が出ていない時:葛根湯:成分:葛根・麻黄・なつめ・シナモン・生姜・甘草
汗が少し出ている時:桂枝湯:成分:シナモン・なつめ・生姜・芍薬・甘草
風熱感冒(赤い風邪)・・・顔が赤い・熱感・発熱・のどの腫れ・痛み・咳・黄色く粘り気のある鼻水・痰 :銀翹解毒散、涼解楽など
銀翹解毒散成分:金銀花・連翹・豆豉(浜納豆)・ササ・ハッカ・ゴボウ子など
風湿感冒(黄色い風邪)・・・食欲がない時
舌の苔を見てください。舌の苔は胃腸の働きを表します・
苔が白く厚い時・・・小柴胡湯、勝湿顆粒(藿香生気散)など
胃腸型のかぜ・・胃のむかつき・吐き気・下痢・食欲不振・悪心・鼻水など
勝湿顆粒、藿香正気散など
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風燥感冒(白い風邪)・咳が強く痰が絡んで、胸が重苦しいこともある。
治りかけの時期。長引くことが多い。コロナではこのまま気管支炎などになることがある。漢方薬の潤す薬は効果がよいので、医師に診てもらいながら併用するとよいです。
麦門冬湯、滋陰降火湯・麻杏甘石湯、麻杏止咳顆粒、など使いますが、長引くので相談してください。
7:風邪・コロナ・インフルエンザのときの食べ物・薬膳
消化が落ちているので、胃や喉に優しい温かいもの・やわらかいもの にしましょう。
1:寒気がする時
〇葛湯:くず粉(吉野葛)を水150㏄で煮て溶かし、とろみをつけ、砂糖少々とあれば生姜の絞り汁を入れて、熱々を頂きます。
汗が出れば寒気が抜けます。
抜けなかったらすぐ葛根湯を飲みましょう。
吉野葛がなければ片栗粉でも代用できます。
ただし効能が違います。
くず粉:マメ科葛根クズの根発熱・頭痛・肩こり・下痢
片栗粉:ナス科ジャガイモ消化不良・便秘
〇玉子酒:清酒、または料理酒200㏄を沸騰させ、アルコール分を飛ばす
生卵1個をほぐしてここに入れ、砂糖小さじ2杯くらい好みで入れてしょうが汁、またはシナモンをかけ、熱々を飲む。汗が出れば寒気が抜けます。
風邪の時 元気が出るおかゆ 後述
2:熱っぽい時:ミント茶
3:咳が長びいた時:ゆり根のお粥
米やもち米にゆり根を加え8~10倍の水を加え、30~40分くらい煮ます。
仕上げに砂糖一人分小さじ1杯くらい入れて出来上がり
塩の代わりに砂糖です。
ゆり根は球根の鱗片がたくさん集まっているので百合と言います。
喉や皮膚、肺を潤すので、乾燥した咳や肌のかたに喜ばれます。
しかも百合病と言って女性のヒステリーにも良いので、子供の咳が長引いてお母さんがイライラしている時には親子でいただくと、甘くてほっとしますよ。
●風邪・食欲がない時 元気が出るおかゆ
胃腸の働きを高め、元気が出る食材を組み合わせました。
材料
うるち米(こめ):1/2カップ
もち米:80g
ハスの実:5g
乾燥棗(健康棗):5g
大豆:15g
クルミ:10g
作り方
1、コメともち米をとぎ、水に浸しておく。大豆は乾煎りする。
2、材料を鍋に入れ、水を加えて10カップにして焚く。好みで塩少々入れる
効能
うるち米(白米)
平/甘(粳米)胃腸虚弱 消化不良・疲れ
もち米(糯米)
温/甘 胃腸虚弱・疲れ・多汗・寝汗・母乳不足
ハスの実
温/甘 心が弱い(不眠)腎が弱い(習慣性流産・物忘れ
おりものが多い・尿漏れ)胃腸虚弱・下痢
カリウムが豊富・デトックス効果
なつめ(棗)
温/甘 免疫力アップ・造血・脾胃虚寒・脾胃虚弱・疲労
食欲不振・動悸・不眠・精神不安・各種がん
大豆(黄豆)
平/甘 ほぼ完全食品・胃腸虚弱・消化不良・便秘・脂質異常・肥満
クルミ
温/甘 腎陽虚証・腰痛・足腰の衰え・インポテンツ・健忘・頻尿・肌荒れ・慢性の咳と喘息・結石・便秘