冬の肌トラブル対策と漢方
春は、ものみな目覚め、生じる季節です。
天地のもろもろのものが生まれ動き始めます。この時期は早く寝て、早く起き、軽く散歩をしましょう。
仕事や勉強は頑張りすぎないようにして、冬の間我慢していた、したいことを緩やかに始めましょう。
周りの人を叱ったりしないでほめるようにしましょう。
このようにすべてに気持ちをゆったりとのびのび過ごすようにします。
そうすると春のうららかな陽気に合わせて心身も伸びやかになっていきます。
これこそ春の養生法です。
この養生法に逆らって心を緊張させたり、急な労働をしたりすると春に盛んになる「肝」が伸びやかに働かなくなり、夏になって寒がったり、体調を崩すことになります。
以上、約2000年前、前漢の時代に書かれた東洋医学の養生書、素問(そもん)に書かれていることを述べてみました。
前漢とは三国志が書かれた戦国時代の前の時代です。
医学のない時代、人々はどうしたら元気で健康にいられるか、5000年前からの言い伝えを参考に、死に物狂いで考えたのでしょう。
この後、後漢になって人類初めての医学書「傷寒論」ができます。
その前の時代、養生だけでもかなり病気は防げたと思われます。
「春」の季節はかなり自律神経と関係した症状が出ます。
これらは伸びやかに過ごすことによって予防できそうです。
しかし現代社会で過ごす人間にとって、なかなかこのように過ごすのは難しいですが、心がけていけば少しずつはできるかもしれませんね。
写真:植松光子撮影