マイペースな夫とどう向き合う?カウンセラーが語る心理と対処法
夫婦関係で相手の心を動かすのは、「伝え方」

夫婦関係を良くしたいと思ったとき、多くの方が
「どうしたら相手を分からせられるか」
「どうしたら考えを改めてもらえるか」
と考えがちです。
ですが、長年連れ添った夫婦ほど、
正論や説得は、ほとんど相手の心に届きません。
むしろ必要なのは、
「相手を変えようとしないこと」
この逆説的な姿勢です。
相手の心が少しずつ変えていくには、共通する“ある技”があります。
秘訣①「してほしいこと」を言わない勇気
例えば妻側がよくやってしまうのが、
「もっと一緒に出かけたい」
「どうして気持ちを分かってくれないの?」
「普通はこうするでしょ?」
という要望や不満のストレートな表現です。
これは決して悪いことではありませんが、
夫にとっては「責められている」「否定されている」と感じやすく、
心を閉ざす原因になりがちです。
そこで一つ、視点を変えてみてください。
「してほしいこと」ではなく、「感じたこと」を伝えるのです。
たとえば、
×「もっと一緒に出かけてよ」
〇「この前一緒に出かけたとき、すごく安心した」
×「全然構ってくれない」
〇「最近、少し寂しく感じることがあるの」
感情を主語にすると、相手は“攻撃”として受け取らず、
自然と耳を傾けやすくなります。
これが、相手の心を動かす第一歩です。
秘訣② 相手を変える前に「安心させる」
人は、安心している相手にしか、寄り添おうとしません。
特に男性は、
「否定されない」「責められない」「評価されていない」
と感じたときに、初めて自分から歩み寄る余裕が生まれます。
そのためには、
すぐに結論を求めない
相手の言い分を途中で遮らない
正解・不正解を決めない
この姿勢がとても大切です。
「そういう考え方もあるんだね」
「あなたなりに考えているんだね」
この一言があるだけで、
相手の中の“防御の壁”は驚くほど下がります。
すると不思議なことに、
相手のほうから少しずつ、寄り添う行動を見せ始めるのです。
秘訣③ 小さな「肯定」を積み重ねる
長年の夫婦ほど、
「やってくれないこと」
「足りないところ」
に目が向きがちです。
しかし、心を動かすのはその逆です。
ゴミを出してくれた
無言でも一緒にいてくれた
体調を気遣う一言があった
どんなに小さなことでも構いません。
「ありがとう」
「助かった」
「それ、嬉しかった」
この小さな肯定の積み重ねが、
相手の中に「自分はこの人の役に立っている」という感覚を育てます。
人は、自分の存在が肯定されている場所に、自然と戻りたくなるものです。
相手を動かす最大の秘訣は「変えようとしないこと」
皮肉に聞こえるかもしれませんが、
夫婦関係において、相手の心を最も動かすのは、
「あなたを変えたいわけじゃない」という態度です。
責めない
急かさない
期待を押し付けない
その安心感の中でこそ、
人は初めて「自分も何かできるかもしれない」と思えるようになります。
夫婦の関係修復は、劇的な変化ではなく、
静かで、ゆっくりとした心の変化の積み重ねです。
発想の転換+伝え方で、夫婦関係はまだ変えられる
発想を変え、
伝え方を変え、
相手を安心させる。
それだけで、
「もう無理だと思っていた関係」が、
少しずつ、確実に動き出すケースを、私は何度も見てきました。
お互いがこのままではマズいと思っていたり、より良い関係に改善していきたいと
考えているならば、今からでもできる関わり方が必ずあります。
相手を変えようとする前に、まず自分の寄り添い方を変えてみる。
それが、夫婦の心を再び近づける、最も確かな秘訣です。
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