老人ホーム・高齢者施設におけるリハビリとは?

石津和幸

石津和幸

テーマ:知って得する!老人ホーム・各種保険制度

リハビリが出来る施設に入りたい!


老人ホームの入居相談をしていて非常に多い要望が「リハビリ」です。
高齢になっても、自分の足で歩きたい・トイレは一人でしたい・美味しい食事を口から食べたいという願望は誰もが抱くものだと感じます。
そこで重要になってくるのが「リハビリ」というキーワードですが、実際に高齢者介護の現場におけるリハビリとはどういうものがあるのかをご案内したいと思います。

そもそもリハビリとは?

リハビリテーション(Rehabilitation)の略で、re(再び)とhabilitation(獲得する)からなる言葉です。
リハビリは「その人が自分らしく、自立した生活を送る為に、一度失った能力を回復する」活動を指します。ケガや病気をした際に行うイメージが強いですが、高齢者の場合は、機能の維持のためにも行われます。

一般的に良く知られている専門的なリハビリの種類として
・理学療法リハビリ
⇒理学療法士(PT)によって運動機能を回復させる目的で行われるリハビリテーション。
立つ、歩く、座るなどの日常生活で必要な基本動作能力の維持や回復を主な目的とし、筋力強化や関節の動きを保つなどの訓練が行われる。

・作業療法リハビリ
⇒作業療法士(OT)によって日常生活に必要な機能回復を図る目的で行われるリハビリテーション。
歩行、着替え、入浴、食事など日常的な作業を支援することで、体のさまざまな機能の維持・回復を目指します。作業療法リハビリでは、切り絵や貼り絵などの作品を作ったり、レクリエーションをしたりと、高齢者が興味を持てるような作業を取り入れられることが多いです。

・言語療法リハビリ
⇒言語聴覚士(ST)が言語訓練などを行いコミュニケーション能力の改善を目指すリハビリテーション。
また、噛めない・飲み込めないといった人には嚥下訓練を行うなど、より安全に楽しんで食事ができるよう援助します。

一般的には、リハビリというと上記のような専門職による機能訓練等をイメージする事が多いと思います。
また、リハビリテーション病院等の専門病院では上記リハビリが短期集中で手厚く実施されるので、このイメージが強くなっているように感じます。

実際に老人ホームで提供されるリハビリとは?

「リハビリ病院で提供されるものと同レベルのリハビリを継続出来る高齢者施設に入りたい」
こういったご要望をいただくケースもありますが、、、
結論これは「ほぼ不可能」です。
※自費サービスを極限まで使えば可能ですが、、、数十万規模で追加費用がかかります

では、現実的に老人ホーム・高齢者施設で提供されるリハビリについてご案内します。
※利用する制度別にご紹介

介護保険を利用したサービス

・訪問リハビリテーション
・通所リハビリ(デイケア)
※訪問看護、デイサービスでもリハビリを提供する場合有
※老健(介護老人保健施設)は公的施設でリハビリに強いとされています、しかしリハビリ病院と比較すると提供されるリハビリの頻度と時間は少ないです、また入所後3か月以降は一気にリハビリ頻度が少なる点も注意が必要です。

★介護保険は介護度別で利用できるサービスの回数(量)の上限があります。
一般的には必須サービス(更衣・排泄・入浴等の身体介護)や福祉用具貸与(介護ベッドや車いす等)を利用して利用可能単位数が余っていればリハビリで介護保険が使えるようなイメージとなり、頻繁にリハビリサービスを利用する事は難しいと想定されます。

医療保険を利用したサービス

・訪問看護※厚生労働大臣が指定する疾病等に該当する場合利用可能(パーキンソン病・末期がん等)
・訪問鍼灸マッサージ
※介護保険に該当する方は原則医療保険でのリハビリは利用出来ない、医師の指示や診断があれば利用できる場合がある。

施設サービスによるリハビリ

・集団体操等の生活リハビリ
・筋トレマシン等を利用した個別リハビリ
・専門職(理学療法士や柔道整復師等)による個別リハビリ
・レクレーションを通した生活リハビリ(脳トレドリル等)
※施設サービスにより提供されるものは、医師の指示等が無いのでリハビリテーションでは無く機能訓練という意味合いが強い。機能や能力を回復・向上させるのでは無く、維持・低下を抑制する事が目的とされる。

★上記以外に「自費=保険を使わない」でリハビリを受ける事は出来る。
※参考例
・自費訪問リハビリテーション:言語聴覚士(ST)による嚥下訓練=40分6000円/1回
・自費鍼灸マッサージ=40分5000円/1回

選ぶ施設によってリハビリの質と量に大きな差がある!


リハビリ(機能訓練)を希望する方は上記ポイントに注意が必要です。
施設専属の専門職(PT等)がいる老人ホームもあれば、専門職はいないのに外部リハビリサービスの利用が出来ない(させない)高齢者住宅もあります。
そもそも民間の高齢者施設は「在宅=自宅」と同じ扱いになるので、リハビリ病院のような専門的なリハビリを期待する事は無理だと認識していただき、介護保険・医療保険・施設サービス・自費サービスを組み合わせて最適なリハビリ(機能訓練)の提供が期待できる施設を選択する必要があると考えていただければと思います。

リハビリに強い施設情報等も収集しておりますので、気になる方はお気軽にお問合せください♪

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