大学入試志望理由書対策「基本編」~第2回 ネタがない!を乗り越える! 「自分史」と地域課題の掘り起こし術
目次
Office Catalystの角野裕美です( ..)φ
講師のカドノと
総合型選抜での大学合格を目指すサオリさん(仮名)
との対話を通じて、
「これは私のコトじゃない?」と、
腑に落ちる程にあなたに届けられるよう、
なにより、志望理由書を書き上げられるべく、第3回をお届けします。
羅針盤としての志望理由書
カドノ: サオリさん、第2回で作ってもらった「自分史ノート」の成果、見ました。
「公園が駐車場になった時の寂しさ」とか、「地域のお祭りが廃れていくことへの危機感」といった、あなたの「感情的ジョブ(興味・関心)」がとても鮮明に書けていたわね。
サオリ: ありがとうございます!書き出してみて、私がなぜ
「まちづくり」に関心があるのかが、初めて明確になった気がします。
カドノ : ええ。その強い感情、つまり「解決したい課題の原点」こそが、あなたの志望理由書にとって最も重要な「目的地」なの。
……ただね、目的地がわかっても、そこにたどり着く方法を知らなければ迷子になってしまうわよね?
今日のテーマは、その目的地に迷わず進むための
「未来への羅針盤(コンパス)」を完成させる
こと、なの。
サオリ: 羅針盤、、、ですか?
カドノ: そう。志望理由書は、あなたの熱い思いだけをぶつける「手紙」ではないの。それは、あなたの未来の目的地を正確に指し示し、
「この大学の専門知識こそが、私をその目的地に導く唯一の方位磁石です」と論理的に示す「未来への羅針盤」だ、ってことなの。
サオリ: ええ。 熱意と論理、両方が必要なんですね。
ステップ1:目的地の「方位」を特定する
カドノ : 羅針盤で目的地を探すには、まず「どの方向に向かうか」という方位を決めなくちゃいけないでしょ。これは、あなたの「興味や関心(感情的ジョブ)」を具体的な「学問的な手段(機能的ジョブ)」に変換する作業をすることなの。
サオリさんの「公園が駐車場になった問題を解決したい」という内容を見てみましょう。この問題を解決するには、どんな知識や技術が必要かしら?
サオリ : うーん…ただ「公園を戻せ」と言うだけじゃなくて、えっと、たとえば、市の財政状況や、法律、あとは住民の合意形成のノウハウとかが必要だ、と思います。
カドノ: 素晴らしい! その「法律」「合意形成のノウハウ」といった具体的な知識・技術こそが、あなたの羅針盤の針が指し示すべき「学問(機能的ジョブ)」なのよ。
……ここが曖昧だと、「環境問題を解決したい」みたいな感じで終わっちゃって、羅針盤の針がブレてしまうのね。
だから、あなたの羅針盤の針が「都市計画法」や「コミュニティデザイン」といった、具体的な学問分野の名前を正確に指せるように、言語化するとわかりやすくなるでしょう。
ステップ2:シラバスで「航路図」を見つける
カドノ: 目的地への「方位」が定まったら、次は具体的な「航路図」が必要となります。それが、大学が公開している「シラバス(講義計画)」なの。サオリ: シラバスが航路図…!
カドノ :ええ。
志望理由書では、単に「貴学の〇〇学部で学びたい」と書くだけじゃダメなの。それでは「私は、ただ船に乗るつもりです」とだけ、
言っているのと同じよ。大学側が知りたいのは、
「どの授業という名の船に乗って、具体的に何を習得し、
目的地にたどり着くつもりなのか」という詳細な計画なの。
…… 例えば、サオリさんの羅針盤の針が「コミュニティデザイン」を指していたとするわよね。
そしたら、その大学の学部サイトでシラバスを開いて、「コミュニティ」「住民参加」といったキーワードで検索するの。
サオリ: ただ授業名を見るだけじゃないんですか?
カドノ: 見てほしいのは、抽象的ではなく、具体的すぎる授業名よ。
「地域活性化論」じゃなくて、
「〇〇市における地域資源のデジタル活用実践」とか、
「市民による予算編成参加の手法」みたいな専門科目ね。
……そして、志望理由書には、「私が目指す解決の目的地(感情的ジョブ)には、貴学の『市民による予算編成参加の手法』で習得する具体的な課程(プロセス)と活用能力(スキル)が、羅針盤の不可欠な一部として必要です」と書くの。
サオリ: すごいすごい!そっか、
その授業があるから、この大学を選ぶんだって、説得力がめちゃくちゃ増しますね。
他の大学の羅針盤ではダメな理由が、それで明確になったなって思います。
ステップ3:教授を「専属の航海士」にする
カドノ: 航路図と方位磁石があっても、荒波を乗り越えるには、その道を熟知した「航海士」の指導が必要よ。
これが、あなたが特定するべき「特定の教授」の役割なの。
難関大の入試で差がつくのは、まさにこの点よ。
大学側は、あなたの熱意が「指導教授の専門性と完璧に合致しているか」を見ているの。
サオリ: 教授のリサーチは、どうやればいいですか?
カドノ: シラバスで見つけた具体的な授業を担当している教授、または、その学部の教員紹介ページであなたの羅針盤の針が指すテーマと同じ研究をしている教授を探すの。
もし、その大学の教授が「多世代交流による公園の再設計」をテーマに研究していて、サオリさんの関心事と合致していたら、最高の「航海士」よ。
…… 志望理由書には、「私の未来への羅針盤の指す目的地は、貴学の〇〇教授が長年探求されている『多世代交流による公園の再設計』の研究テーマと完全に重なります。教授の指導を受けることで、これらの課題解決は成功に導かれると確信しています。」等と明記するの。
この一文は、あなたが入学後、すぐにその教授の研究室で学び、
具体的な成果を出せる、つまり「ここで学ぶべき学生」であることを
アピールしているといえるでしょう。
羅針盤としての志望理由書の完成
カドノ: まとめると、最高の志望理由書、つまり「未来への羅針盤」は、この3つの要素で構成されているわ。
目的地(WHY): あなたの心から解決したい課題(感情的ジョブ)。
方位磁石(HOW): 目的地へ導くために必要な具体的な知識・スキル
(シラバスで特定した専門科目)
航海士(WHERE): その知識を授け、目的地まで導いてくれる専門家
(特定の教授)
カドノ: 羅針盤は、あなたの未来を切り開くための強力なツールよ。
この週末は、あなたの羅針盤を正確に調整するために、大学のウェブサイトという「情報の大海原」に飛び込んでみましょう!
サオリ: はい!羅針盤を完成させて、面接官に「私こそ、この大学で学ぶべき人間なんです」と、論理的に宣言できるように頑張ります!
最後に:講師のカドノからのメッセージ
あなたの熱意を合格へと導く「羅針盤」を完成させましょう。
熱意は感情的に、根拠は論理的に。
この3つの行動をすぐに実行に移しましょう!
羅針盤の針を研ぎ澄ます: 第2回で書き出した感情的ジョブを、「〇〇学における△△の応用」といった学問的な専門用語に変換する。(例:「寂しさ」→「地域コミュニティの機能維持に関する政策研究」)
シラバスで「航路図」を引く: 志望学部のシラバスを検索し、羅針盤の針が指す専門分野で、最も具体的で魅力的だと感じた授業名を3つ選ぶ。授業内容に目を通し、なぜその授業があなたに必要なのかを説明できるようにしておくこと。
「航海士」への報告書を作成する: 志望学部の教授の中から、あなたが選んだ授業や専門分野に最も近い「航海士」を選び、その教授の研究テーマを読み、そのテーマがあなたの目的地達成にどう貢献するかを短い文章でまとめておく。
さあ、あなたの未来は、もうブレないです、よね?
羅針盤が示す道を突き進みましょう!
あなたの未来を共に創る
~Office Catalyst (オフィスカタリスト)です~
心を込めて。 ( ..)φhiromi KADONO
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