大学入試志望理由書対策「基本編」~第2回 ネタがない!を乗り越える! 「自分史」と地域課題の掘り起こし術

角野裕美

角野裕美

テーマ:志望理由書対策

ネタがない!を乗り越える! 「自分史」と地域課題の掘り起こし


カタリスト裕美です( ..)φ
講師のカドノと
総合型選抜での大学合格を目指すサオリさん(仮名)
との対話を通じて、
「これは私のコトじゃない?」と、
腑に落ちる程にあなたに届けられるよう、
そして、志望理由書を書き上げられるべく、第2回をお届けします。


ネタ探しの壁

カドノ:  サオリさん、こんにちは。第1回で、志望理由書があなたの将来を考えるための、とても大切なツールだって分かってもらえたわよね。
サオリ:  はい、カドノ先生!すごく腹落ちしました。
将来像を明確にするために書くんだって思ったら、モチベーションが上がりました。
カドノ:  それは嬉しいわ!でも、きっと次の壁にぶつかっているんじゃないかなとおもって。
「意義は分かったけど、じゃあ具体的に何を書けばいいの?」
「私には特別な経験がないから、ネタがない!」という生徒さんが、
実はとっても多いの。
サオリ:  …まさにその通りです!クラスの友達はすごいボランティア経験とかあるんですけど、私はこれといった活動がなくて。
何を書いたらいいか分からなくて、手が止まっています。
カドノ:  心配ないわ。特別な経験なんて必要ないのよ。
今日やるのは、あなたの志望理由の「原点」を見つけ出すこと。
つまり、あなたの心の中にある「感情的ジョブ(興味や関心事)」を掘り起こす作業よ。

感情的ジョブ(興味や関心事)の発見:「自分史」の作り方


カドノ:  人が何かを「やりたい!」と思う時、その背景には必ず、過去の個別具体的な体験で心が強く動いた瞬間があるの。
これを私は「感情的ジョブ(興味や関心事)」と呼んでいるわ。
サオリ:  感情的ジョブ…?
カドノ: ええ。例えば、「誰かが困っているのを見て、放っておけなかった」とか、
「不公平な状況に怒りを感じた」とか、
「小さな優しさにもらい泣きするほど感動した」とか。その「感情」こそが、あなたが大学で学ぶ動機になり得るの。
ということで、さっそく「自分史」を作ってみましょう。
自分史と言っても、大層な年表じゃなくていいんです。
ノートを用意して、次の3つの視点で、あなたの人生を振り返ってみてね。

心が動いた瞬間: 喜び、悲しみ、怒り、感動、違和感など、感情が強く揺さぶられた出来事を、大小問わず書き出す。

「もし私が〜なら」と考えた瞬間: ニュースを見て、「私ならこうするのに」と思ったことや、友達の悩みを聞いて「こういう仕組みがあればいいのに」と問題提起したくなった瞬間。

地域との関わり: あなたの住む街や、通う学校、所属するコミュニティで、「ちょっと変だな」「もっとこうなったらいいのに」と感じたこと。特に解決されていない課題はないかしら?

サオリ : なるほど…。大きな出来事じゃなくて、
「心が動いた小さな瞬間」でいいんですね!ボランティアじゃなくても、
家族のことで感じたことや、近所の商店街を見て感じたことでもいいってことですか?
カドノ:  もちろんよ!
むしろ、そういう個別具体的で、あなただけの体験こそが、
志望理由書に深みと説得力を与えるの。
みんな同じような「社会貢献」を書く中で、
あなただけの「原点」は唯一無二の武器になるわ。

地域課題を「自分事」にする方法

カドノ:  特に、地域課題の掘り起こしはとても大事よ。
多くの大学は、地域社会への貢献を視野に入れた学生を求めているから。
地域課題と言うと難しく聞こえるけど、
要は「あなたの身近にある、ちょっとした不便や疑問」のことよ。
…… 例えば、あなたの街で最近閉店したお店はないかしら?その時、あなたは寂しさを感じた?
それとも「時代の流れね」って思った?
その時感じた寂しさや違和感が、
地域経済を学びたいという感情的ジョブにつながるかもしれないわ。
サオリ : うちの近所も、前にあった公園が駐車場になっちゃって、
小さい頃から遊んでいた場所がなくなるのはすごく嫌だなって思いました。それが、環境や都市計画に興味があるっていう「原点」になるのかな…。
カドノ:  そうそう、その調子。サオリさん!
その「嫌だな」という個人の感情こそが、
あなたの志望理由のエネルギーになるの。
その感情を忘れないように、自分史ノートに
「〇〇公園が駐車場になった時の感情」として具体的に
書き出してみましょう。

まとめと次回の予告

カドノ: 志望理由の「ネタがない」は、まだあなたの感情的ジョブが見つかっていないだけ、なのです。
「自分史」を通じて、あなたが本当に心が動いた瞬間を掘り起こすこと。
これが、誰にも真似できない志望理由書の土台になるわ。
サオリ : はい!大きな成功体験を探すのはやめます。
これからは日常の小さな「感情」をメモしていくようにします!
自分でもどんな発見があるか楽しみになってきました。
カドノ : 素晴らしいわ。そのノート作りが、志
望理由書を書くための大切な「材料集め」になるわよ。
材料が揃ったら、次はそれを大学へぶつける段階へと入ります。

第3回は「 完璧なマッチング!大学・学部への『ラブレター』の書き方」として、集めた材料と大学のリサーチをどう結びつけるか、
「機能的ジョブ」を満たす書き方を学んでいきましょうね。
引き続き、一緒に頑張りましょうね!
サオリ:  ありがとうございます!
次の授業までに自分史ノートを充実させておきます!



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角野裕美(講師)

Office Catalyst(オフィス・カタリスト)

様々な職業体験と予備校講師の実践を基にカウンセリングを行い、個別の要望に沿って指導。総合型・推薦入試で必須の志望理由や自己推薦の書き方、小論文・面接対策を受験生だけでなく保護者にもアドバイスが出来る。

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