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クライアントの気持ちに寄り添う「成年後見」のスペシャリスト

遺言・任意後見など「老い支度」の専門家

西川智子

西川智子(にしかわ・ともこ)プロ
「備えが大事」と話す西川さん

#chapter1

早めの準備で安心の「老い支度」を

 「老後が不安」「相談したいけど専門家の説明は難しい」と漠然とした不安を抱えながらも、『老い』に対して何の準備もできないままになっている人は多いようです。大阪市北区に事務所を構える行政書士の西川智子さんは、そんな方たちに老後の安心を提供したいと、『遺言』『成年後見』を専門に、生活面も含めたサポートに取り組んでいます。

 「成年後見制度」とは、認知症や知的・精神障害などにより判断力が不十分で、財産や不動産の管理や介護サービスなどの手続きができない人たちの暮らし、財産を守るために設けられた制度です。
 「老いや死に関することはタブー視されてきましたが、近年では遺言やエンディングノートの準備をするのが当たり前になりつつあります。『老い支度』は安心の備えです。日本には任意後見や遺言に関する素晴らしい法律があるので、ぜひ活用してください」と西川さん。

 「成年後見制度」と一口に言っても受けることのできる支援は様々です。西川さんは任意後見による早めの準備をお勧めしています。「成年後見(法定後見)は、判断能力が衰えた場合に家庭裁判所に申し立て、援助する人を選定してもらう制度。つまり、ご本人の判断力が衰えた後の制度です。もちろん親族が後見人に選ばれる場合もありますが、あくまでも裁判所が判断します。それに対し任意後見では、将来判断能力が不十分になった時に備えて後見人を事前の契約により自分で決めて予約しておくことができます」

#chapter2

それぞれの事情に合わせた制度の利用を

 西川さんのもとを訪れる相談者で多いのは、家族がいない、いわゆる「お一人様」です。「お一人様は特に老後の不安が強く、葬儀納骨などを誰にお願いすればいいのか悩まれています。親族構成、財産状況など、事情は様々ですので十分お話をお聞きしたうえで最適な支援制度をご提案します」

 任意後見契約を誰と結ぶのかを検討するとき、甥(おい)や姪(めい)など交流のある親族にするのか、専門家や法人を頼るのか、たくさんの選択肢があります。また、どのような支援を希望するのか。例えば、元気なときは月1度程度の電話や面会で生活相談をする「見守り」を行い、生活に支障が出るようになってから財産管理や身上監護を行う、といった方法があるそうです。

 また、財産について、西川さんは、信託の利用を勧めます。信託銀行に資産管理を依頼し、その中から月々一定額を生活サービスなどの費用に充てる方法です。判断力が低下しても安全に老後資金を運用でき、専門の機関を通すことで資産運用の透明性が高まります。

 「ご紹介したのは一例です。丁寧にご説明しますので最適なプランを探りましょう。行政書士には守秘義務があるので、安心して相談してください」。力強くメッセージを発信する西川さんは、現在50歳代。自身が両親の老いを見守り、高齢者の生活について法律的な視点で取り組んだ経験があり、年齢を重ねたからこそ親身にお伺いできる相談があると考えています。

西川智子プロセミナー風景

#chapter3

社会人生活で育んだ視点生かし、顧客に寄り添う街の法律家に

 西川さんは、長年広告業界で活躍し、会社の設立・経営を経験しています。まったく畑違いの行政書士に転身したきっかけは20年来の友人でした。仕事、会社経営、年老いた両親のこと。何気ない相談に法律的な知識を交えながら、分かりやすく解決に導いてくれる。行政書士の仕事に誇りを持って取り組んでいる友人が輝いて見えたと言います。また、経営者として様々なトラブルに直面し、法律や制度を理解し利用することの重要性を実感していたそうです。警察官をしていた父親譲りでまじめで筋を通したい性格だという西川さんは「2年間集中して勉強しよう。ダメならすっぱりと諦める」と資格試験に臨み、見事合格しました。

 徐々にクライアントも増えた現在は、外部依頼によるセミナーの講師を務め、病院や高齢者施設への声掛けを行い、ホームページを分かりやすく工夫するなど、制度の周知にも力を入れています。実際、セミナーがきっかけで「老い支度」について相談に来られる人も多いそうです。
 生活に寄り添い、女性ならではのきめ細かい視点とサポートを提供したいという西川さん。「車いすなどで外出が困難な方、ご家族一緒に相談したい方には出張相談にも応じています。独りで悩みを抱えないで気軽に相談してください」。人柄のにじみ出る、優しく華やかな笑顔でした。

(取材年月:2019年1月)

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専門家プロフィール

西川智子

遺言・任意後見など「老い支度」の専門家

西川智子プロ

行政書士

西川智子法務行政書士事務所

社会人として多くの経験を積み、年齢を重ねたからこそ理解できる相談があります。老いや高齢者の抱える問題に実感を持って取り組み、難解な法律の仕組みも分かりやすく丁寧にご説明します

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