コロナ対策資金繰活用法(7) 持続化給付金雑感
今は大阪府において府知事が広範囲に業務自粛要請を行う直前の令和2年4月13日午後11時です。業務自粛は強制的に経済活動を止めることになります。業務自粛の妥当性を述べることは評論家にお任せするとして我々は何をすることが必要でしょうか?
経済活動を止めるのはその血液である資金の動きを止め、栄養分である物流を止めます。放置すれば体力のないものから死んでいきます。ですから体力の低下を防がなければなりません。
さて、営業自粛を行うと止まるのは栄養分である物流であって、物流が止まるから資金が止まるため、モノを動かせばカネが動くのですが、企業と家計がモノとカネを動かさなくなったときに、政府が何をするのかといえばカネを動かしますとマクロ経済学の教科書が言っています。
では、今回の営業自粛の目的は何かといえば、感染の広がりを抑えることによって新型コロナウイルスの流行を抑えることです。感染の広がりを抑えることの本質は人が密集、密室、密接のいわゆる三蜜を防止することにあります。人が止まればモノとカネは必然的に止まります。
企業は経営の三要素である「人・モノ・カネ」を最大限に活用して利潤を獲得して人に還元することが目的ですが、今回の政府の要請は「人・モノ」を動かすなということですので目的を果たすことが出来ません。経済上のコロナ対策は「人・モノ・カネ」を動かせばいいので、使える道具を選んでそれらを動かせばいいわけです。
企業や家計の自助努力で動かすのは期待できません。民間は収入減が起こるので安心してお金を使えないから物も動かせません。収入があることがわかれば民間は支出できます。そこで政府は資金の流通量を増やします。お金の流通を増やしすぎることをインフレーションといいますが、それはモノが動いてこそ。今はモノもないのでお金が動きません。
ではどうすればお金の心配がなくなるかといえば輪転機を回せばいいが、輪転機を回すのは政府の役目です。刷り上がったお金が津々浦々流通することでお金は生きますが、妨げるものは「いざというときに対する不安」ですので、幾ら使っても資金供給されればその心配もなくなります。
民間セクターが資金獲得するには、売上確保か借入が必要です。今は売上が期待できないので借入を恐れてはいけません。大企業はともかく中小企業で資金調達に借入を用いることは普通です。安心のためにも資金はじゃぶじゃぶでいきましょう。