韓国済州道の今後の地価について考えてみました。
在日コリアンと本国親族との軋轢
在日コリアンが韓国国内で遺産相続する場合、もっとも苦労する点が韓国にいる親族との関係です。
現在日本に住んでいる在日コリアンのルーツ達は、様々な理由により数十年前に日本に渡り、その子孫たちがここ日本に定住しています。当然、親族全員が日本に渡ってきた訳ではなく、韓国に住んでいる親族もたくさんいます。
その韓国在住の親族たちが、先祖代々承継してきた土地やその土地にある先祖のお墓を管理し守ってきたのです。
問題は、先祖代々守ってきた土地の相続人が日本で永住しており、その土地を管理したり畑をしていたり、お墓の掃除を毎年している本国在住の親戚がいる場合に、法的には正当な権利を有する在日コリアン相続人が当該土地をいかに処分するかということです。
本来的には、正当な相続人が適正手続に基づき相続登記をし、所有権に基づきいかに処分しようとかまわないはずであり、韓国においてもそれは日本と同じです。
しかしながら、韓国在住の親族としては、先に書いたように、代々守ってきた大事な土地を全く無関係な他人が取得するということは、感情的・規範的に納得できないのです。
つまり、本国の親族からすれば、在日コリアン達はすでに韓国を離れて数十年に及びお墓参りにも来ない、本国の親戚との付き合いもほとんどない、韓国語もできない・・・等々の理由により、在日コリアンに相続権があるのは頭では理解できるが感情がそれを許さないのである。韓国人の行動規範として、代々受け継いだ土地を赤の他人に売却するということはあってはならないことなのです。
私がよく仕事で訪れる韓国済州道において、特に農村部においてこのような事例が多いように思います。合理主義や効率優先という思考方式がほぼ定着している在日コリアンと、儒教思想で固まっている韓国の親族達との軋轢が、在日コリアンの相続手続や相続財産の処分という作業のもっともやっかいな障壁になっているのです。
場合によっては裁判所に訴え仮処分を付す、または、善意取得を主張するなどの具体的な行動をとることもあります。
ただし、本心から代々の土地を大事に思い守ろうとする親族はむしろ少数派であり、在日から出来るだけ安価で土地を買い取りたいと画策する親族達がいかに多いことか、在日と韓国の親族との軋轢の本質はこのあたりに根深い原因があるように思います。