副鼻腔炎(蓄膿症)の治療①②③

新井吉秀

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副鼻腔炎(蓄膿症)の原因、症状、そして漢方薬治療法について述べます。

副鼻腔炎(蓄膿症)の原因は?

  鼻の中、いわゆる鼻腔の外側には副鼻腔という4つの空洞があります。
  鼻腔からの炎症、そして副鼻腔に炎症を起こしたのが副鼻腔炎です。
  副鼻腔に細菌が繁殖して膿が溜まるのが蓄膿症です。

  風邪をひくと、10人中約7人はかるい副鼻腔炎状態になるようです。この時にきれいに治しておきたいですね。

副鼻腔炎(蓄膿症)の症状は?

  副鼻腔炎(蓄膿)の症状で一番多いのは鼻づまり(鼻閉)です。鼻粘膜の浮腫によって起こります。
  また鼻汁が一杯になったり慢性炎症による鼻甲介の肥大によっても起こります。
  
  その他、頭痛、頭重、鼻のつけ根の痛みや重い感じ、
  ボーっとして集中力や思考力が低下することもあります。

後鼻漏って?

  鼻汁はふつう鼻腔に溜まり、溢れて外へ流れでるのですが、分泌物が少ない時や、膿の溜まる場所によっては
  鼻の奥からノドの方に溢れてタンのようになってノドに絡まったり、口から排泄されたりします。これを後鼻漏といいます。


副鼻腔炎(蓄膿症)②

副鼻腔炎(蓄膿症)の漢方での対応は?

  急性(蓄膿)副鼻腔炎では(慢性副鼻腔炎での急性症状のあるときも)
  まず、ドンドン排膿させてしまいます。とにかく一度膿を出します。

  中には外に排膿するのではなく吸収して代謝する人もあります。
  化膿の表側は外に出て、内側は吸収して解毒代謝するのでしょう。
  
  慢性(蓄膿)副鼻腔炎の状態になると漢方薬の体質改善を続けます。
  体質改善では1年、長くて2年もあれば大丈夫でしょう。

副鼻腔炎(蓄膿症)の漢方薬の治療はどんな処方を使いますか?

  急性(蓄膿)副鼻腔炎では、葛根湯や駆風解毒湯、荊防敗毒散、
  胃腸の弱い人は、小柴胡湯に桔梗石膏や辛夷川キユウまたは大黄を加えたもの。 または、銀翹散など。

  慢性(蓄膿)副鼻腔炎で症状がおさまってからは、荊芥連翹湯や黄耆建中湯、
  または桂枝茯苓丸、桃核承気湯などを加えることもあります。

鼻たけ(鼻ポリープ)

  鼻たけ(鼻ポリープ)は、単発で茎があったり、多数であったり、鼻腔内に充満するほど大きかったり、さまざまです。

  鼻たけが増大し鼻腔をふさぐようになると、鼻づまりや鼻汁が出たり、嗅覚障害、頭痛などの不快な症状が出現します。

  ぜんそくに合併する鼻たけもあります。

  鼻たけ(鼻ポリープ)を発生させやすい素因としては、気管支ぜんそく患者に高率に鼻たけを合併することが知られています。

  しかし、くわしい原因はわかっていません。

  鼻たけ(鼻ポリープ)にはほとんど慢性副鼻腔炎がみられることから、鼻たけがあれば、慢性副鼻腔炎も存在すると考えてよいでしょう。

次回は漢方薬治療の実際です。

副鼻腔炎(蓄膿症)③

アレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と鼻たけ(鼻ポリープ)とは
大体は区別がつきますが、時折、鑑別がつきにくいことがあります。

いくつか合併していたり、ときには診断名と実際が違っていたこともありますので
正確な診断名を聞いていただく方が何かと良いです。

症状からもある程度判定できるので、私は来ていただいて時に、症状をお聞きして確認しています。

アレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と鼻たけ(鼻ポリープ)とは病態が異なるので漢方処方も異なります。

時折ありますが、鑑別がつきにくい時や、上記の二つとか三つを同時に待っている場合は
一つずつ順番に良くしていく方法と、一つの病態を改善する処方のをメインにして
同時にもう一つの病態を改善する処方を少し併用する場合とがあります。

こういった複雑な場合には、一つ目二つ目の処方で上手くいかなくて三つ目の処方ですっと良くなっていくこともあります。

症状がほとんど良くなれば、次に体質改善の漢方薬エキスを1~2年ほど飲むだけです。

慢性の鼻炎でお悩みの方は、是非お試し下さい。 まずは2~3ヶ月飲んでみてはいかがですか。 

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新井吉秀
専門家

新井吉秀(薬剤師)

漢方誠芳園薬局

東洋医学はもちろん、病態生理や免疫学など西洋医学の長所も利用。相談者には、症状や今までの治療、検査の数値などもうかがう、丁寧なカウンセリングにも定評がある。

新井吉秀プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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