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Mybestpro Interview

子どもや学生、初心者に向けてゴルフの魅力を発信

ゴルフの楽しさを多くの人に伝えるゴルフ場経営者

谷光高

谷 光高(たに・みつたか)さん
大学生に向けたプランについて話す谷さん

#chapter1

経験がなくても誰もがコース体験ができる機会を用意

 兵庫県三田市にある「有馬カンツリー倶楽部」は、1960年に開場したゴルフ場。5代目社長の谷光高さんは、来場者に気持ちよくプレーしてもらえるようにマナー講座を開いたり、誰もが気軽に始められるようなプランを用意したり、ゴルフの魅力を広く発信すべく、さまざまな企画を打ち出しています。

 「国内のゴルフ人口は、公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2021」によると約520万人と言われており、日本の人口の5%にも及びません。富裕層やビジネスパーソンなど、『一部の人がたしなむもの』といったイメージが根強いのではないでしょうか。残りの95%の人たちに、どのようにしてアプローチしていくかが課題だと思っています」と谷さん。ゴルフをしない理由として、「始めるきっかけがない」「何かとお金がかかりそう」「ルールや礼儀作法がわからない」などが挙げられるそうです。

 「自主練習やスクール通いなど、コースデビューするまでのプロセスを面倒に感じて一歩踏み出せない方もいるでしょう。当方では未経験者、初心者の方を歓迎いたします。クラブも無料で貸し出しますし、何よりもモチベーションアップに力を入れています」

 谷さんが運営するゴルフ場の有馬カンツリー倶楽部のビギナーズプランは、保護者や友人など親しい人と一緒にコースを体験できるのが特徴。インストラクターの手ほどきを受けながら、ラウンドすることができます。
 「経験知のある方が、『エチケットリーダー』として必ず1人は同行していただくことが要件となりますが、90分間、存分にお楽しみいただけます。希望者は、事前の座学研修で基本事項を学んでもらうこともできます」

#chapter2

ゴルフを通じて、子どもたちの健やかな心身を育む教育プログラムにも注力

 一人でも多くの人に興味を持ってほしいと、精力的に活動する谷さん。「ファースト・ティ」といって、ゴルフを通じて子どもたちの健やかな心身を育む教育プログラムにも力を入れています。

 「地域の小学生や中学生を招いてレッスンするほか、高校の体育授業、大学生に向けた課外授業や合宿も実施しています。参加した学生さんからは、『ゴルフは大人のスポーツだと思っていたけど、実際にやってみると面白い』などの感想が数多く寄せられているので、近い将来はプレーヤーになってくれるかな、と期待しています」

 ゴルフの歴史は古く、日本では1900年代初頭に神戸の六甲山に初めてゴルフ場が作られました。文化として継承していくためにも若い世代に目を向け、裾野を広げたいと言います。

 「青空のもとで距離を保ってプレーできることから、コロナ禍においては注目を集めています。密を避けることができますし、自然の中を歩くのでいい運動になり、気分転換にもなりますからね」

 また、オープン当初から受け継がれてきたレストランのビーフカレーを、レトルト商品にして通信販売も開始しました。
 「こんなにおいしいなら、ゴルフ場に行って食べてみようと、当クラブに足を運んでもらえるきっかけになればうれしいですね。クラブハウスの店頭でも取り扱っているので、お土産にもぴったりです。味にとことんこだわったカレーはとても評判がよくて、なんと目標金額の500%を達成したんですよ」と笑顔を見せます。

マナー講座にも引き続き力を入れる

#chapter3

ゴルフを身近なスポーツとして楽しんでもらえるように、観光業との連携も視野に

 谷さんは、ゴルフ業界のさらなる発展を目指し、観光事業と連携することも検討しています。
 「例えば沖縄でマリンスポーツをする際、自分で道具を準備しなくても現地にそろっていますよね。それと同じように、ゴルフも手軽に参加できればいいなと。当クラブは、観光名所として知られる有馬温泉が近くにあります。温泉に訪れた人が『何かいい遊びはないかな』とアクティビティーを探したとき、ゴルフが選択肢の一つになるような仕組みを構築していきたいですね」

 日本は世界でも有数のゴルフ場保有国で、その数は全国で約2200カ所にのぼるそうです。
 「ゴルフ場は広い敷地が必要なので、都市部から1~2時間ほど離れた郊外にあります。市街地にお住まいの方にとって、ほどよいドライブコースではないでしょうか。クラブハウスには食事どころや大浴場も備えていますので、レジャースポットとしても活用できます。今後は、ゴルファーだけでなく、観光客も取り入れていくことが大事だと考えています」

 夏はスキューバダイビング、冬はスキーやスノーボード、気候の穏やかな春と秋はゴルフと、季節のスポーツとしても親しんでほしいと語ります。

 「120年以上もの伝統があり、慣習が重んじられる側面があるので、大規模な変革を起こすのは簡単なことではありません。でも、今プレーしている人だけを対象にしていると、先細りしてくのが目に見えています。新しい風を取り入れながら、明るい未来を切り開いていきたいですね」

(取材年月:2022年3月)

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谷光高

ゴルフの楽しさを多くの人に伝えるゴルフ場経営者

谷光高プロ

ゴルフ場経営者

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

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