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通院が難しい人にこそ手を差し伸べたい。運動機能の維持回復にアプローチする訪問マッサージ

運動機能にアプローチする訪問マッサージのプロ

小濱重光

小濱重光 こはましげみつ
小濱重光 こはましげみつ

#chapter1

健康保険を適用した訪問マッサージから疲れを癒やすリラクゼーションまで幅広いメニュー

 那覇市古島にある「治療院大きな手」では、病気の後遺症などで外出が難しい人への訪問マッサージを行っています。代表を務める小濱重光さんは、「10人いれば10人とも症状が違います。一人一人に合った施術を行うのが当店の強みです」と話します。

 マッサージは経験を積めば積むほど熟達する、いわば職人の世界。小濱さんは鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師歴25年以上で、他4人のスタッフもベテランぞろいです。マニュアルに頼るのではなく、それぞれのコンディションに応じたアプローチの引き出しが豊富です。
 「一般的に、はりは痛みなど急性の症状に、マッサージは、肩こりや疲労などの慢性の症状に適しています。また、きゅうは体を温める場合に有効です」

 小濱さんのもとで提供している訪問マッサージは、医師の同意書に基づいて行うもので、健康保険の適用となります。特に多いのが脳血管疾患よって半身まひなど後遺症があるケース。このほかに、筋固縮や手足の震えなどが表れるパーキンソン病、長期間安静に過ごしていたために身体能力が衰える廃用症候群、歩行に影響を与えるひざ関節の痛みといった症状で、通院が困難な人の自宅に足を運びます。移動の負担がなく、住み慣れた場所でケアを受けられるのがメリットです。

 店舗では自費による施術も実施。肩こりや腰痛、慢性疲労、スポーツによるけがなど、気軽に体のメンテナンスを受けることが可能。20時まで予約を受け付けているので、仕事や学校帰りに立ち寄ることもできます。

#chapter2

外出困難な人にも「大きな手」でぬくもりと安心感を与えたい

 以前は、現職とは異なる業界に身を置いていた小濱さん。現在の道に進んだきっかけは、整形外科の医師をしている兄からの誘いでした。
 「兄のクリニックでは、治療の一環としてはりを施していたようです。それで、私も資格を取って手伝ってくれないかと言われたのです。バブル経済が崩壊し、先行きを不安に感じていた時期で、やってみる価値があるなと挑戦することにしました」

 34歳で専門学校に入学し、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。兄のもとで働くようになりました。
 「クリニックに来られる方に施術をして、喜んでもらえたり感謝されたりすることが本当にうれしかったですね。腕を磨いて、不調を抱える人たちのお役に立ちたいと決意しました」

 そして、クリニックでの勤務を10年間で区切りとし、2004年に「治療院大きな手」を開業しました。
 「『大きな手』という言葉には、安心できる、温かいといったイメージがあるでしょう。手を使ってみなさんの体の調子を整えるという私たちの仕事にぴったりだと思い、この名前にしました」と、小濱さん。

 開業当初から考えていたのが、健康保険を適用した訪問マッサージでした。クリニックでケアにあたりながら、通院できずにいる人が取り残されているのではないかと感じていたからです。当時はこうしたサービスを行っているところはまだ少なく、認知度も低かったそう。小濱さん自身も保険請求の仕方を独学しながら、一歩一歩実績を積んできたのです。

小濱重光 こはましげみつ

#chapter3

「自分のことは自分でしたい」。寝たきりを予防し、生活の質を高めるお手伝いを

 運動機能の低下を予防、改善する療法として、リハビリテーションがあります。
 「リハビリは主に訓練によって関節の可動域を広げていきますが、私たちは、体を動かさなくなったことで固くなってしまった筋肉を、まずはマッサージでほぐして柔らかくします。柔軟性を取り戻すことで、関節の可動域がおのずと広くなるのです。そして、ご希望があれば日常動作のトレーニングも取り入れていくという方法をとっています。マッサージですから、施術を受けられた方はみなさん気持ちがいいとおっしゃいますよ」

 小濱さんたちが自宅に来るのを心待ちにしている人も多いとのこと。それは介護をしている家族も同様です。
 「食事をしたり、おトイレに行ったり、自分である程度のことができるようになれば、介護をしている方も助かりますし、マッサージを受けている時間は、ほっと一息つけるひとときなのではないでしょうか」

 今後ますます高齢化社会が進むなか、病気や障害によって生活活動に支障が出る高齢者が増えると予想されます。対策をとらずに放っておくと急激に症状が悪化してしまい、あっという間に歩けなくなったり寝たきりになったりするおそれもあると、小濱さんは指摘します。
 「早めに適切なケアをすることが大切です。年齢を重ねても自分でできることは自分でやりたいと誰もが願っているのではないでしょうか。生活の質を高め、元気な状態で長く過ごしていけるお手伝いを続けていくこと。これが私の目標です」

(取材年月:2021年12月)

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小濱重光

運動機能にアプローチする訪問マッサージのプロ

小濱重光プロ

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

治療院大きな手

関節拘縮やまひなどの症状で通院が困難な人に、健康保険を適用した訪問マッサージを行い、「自分のことは自分でしたい」という思いをサポート。熟達した技術と経験で、一人ひとりに適した施術を行います。

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