010☆財産が自宅だけなのに揉める?

宮﨑栄一

宮﨑栄一

テーマ:幸せ相続

こんにちは。創明コンサルティング・ブレインの宮崎栄一です。

私たちが運営する「SCB遺言・相続サポートセンター岡山( http://www.yss-scb.com/)」では、お客様の「幸せ相続」を全力でサポートしています。

今日は、財産が自宅だけだからこそ揉める事例を考えてみましょう。

(1)相続人は3人、財産は自宅だけ
亡くなられたお父さんの財産は、自宅と少しばかりの預金。年金と同居の長男が入れてくれる生活費10万円で、贅沢もせず暮らしてきました。
法定相続人は、お母さんと長男と次男。二人とも結婚していて、子どももそれぞれいます。
長男は、亡くなられた父・母と同居していて、生活費を毎月10万円程度入れていました。
家事は、おばあちゃんがしてくれるので、妻も働いています。子どもも就職しています。
日々の暮らしは、そんなに苦しくないでしょう。
一方、次男は、子どもがまだ学生のため、妻は十分に働けず、パートタイマーで毎月10万円程度の給与です。住宅ローンを組んでいるので、妻のパート代は、ほぼ全額ローンの返済に回ります。
遺産分割の行方はどうなるでしょうか。

(2)とりあえず、残ったお母さんの自宅を確保
当然、長男は自宅を欲しがります。実際に今、住んでいるわけですから。毎月10万円の生活費も入れてきました。
弟とは仲も良いし、相続について、特に心配はしていませんでした。

しかし、次男の主張は・・・
「お兄ちゃんはタダで自宅をもらえるのだから、少しはおれにお金を払ってほしい。」
「いや、おれは毎月10万円、家賃と食費はキチンと負担してきたんだよ。」
「おれだって、毎月住宅ローンだけで10万円支払っているんだよ。生活費は他に25万円もかかっているし。息子の学費や仕送りで厳しいんだよ。」
こんな会話が聞こえてくるようです。

結局、お母さんが、相続税もかからないことから、自宅を相続することになりました。

(3)決着は二次相続に持ち越し
自宅をお母さんが相続することでは、問題は解決していません。
決着は、お母さんが亡くなった時(二次相続)まで持ち越しです。

次男には、法定相続分の半分、つまり「遺留分の減殺請求権」があります。
自宅の一部を、共有持分として次男に相続させますか。後々にもっと揉めることになりそうですね。
次男は自宅に住んでいないのですから、売却まで議論になるかもしれません。
次男には、住宅ローンや子どもの学費、仕送りなどがあり、今お金がかかるのですから必死です。

やはり、長男はこの日のために、次男を納得させるためのお金をストックしておく必要があったわけです。

【過去のコラム】
001☆相続税がかからない方の相続の考え方 ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1623
002☆亡くなられた方の財産はどうする? ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1649
003☆財産をもらえる相続人ともらえない相続人 ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1652
004☆相続財産はどうやって分けるか? ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1653
005☆相続税の簡単計算をしてみよう ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1662
006☆相続税がかからないのに申告が必要? ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1671
007☆相続税は必ず払える? ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1687
008☆遺産分割はなぜ揉める? ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1688
009☆遺産分割協議は家族対抗戦? ⇒ http://mbp-japan.com/okayama/scb824/column/1689


【私たちの運営サイト】
●SCB遺言・相続サポートセンター岡山   ⇒ http://www.yss-scb.com/
●SCB会社設立・決算サポートセンター岡山 ⇒ http://www.sks-scb.com/
●社福経営サポートクラブ          ⇒ http://www.ssc-scb.com/
●創明コンサルティング・ブレイン公式サイト ⇒ http://s-cb.jp/

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宮﨑栄一(公認会計士)

(株)創明コンサルティング・ブレイン/公認会計士・税理士宮﨑会計事務所

公益性の高い社会福祉法人を永続させるためには、ガバナンスの強化と経営力の強化が必須です。今後、重要性を増す監事監査・内部監査の充実と会計監査の導入、新指導監査ガイドラインへの対応まで支援します。

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