『大江戸ドクター』と『春告げ花』プレゼント
女性時代ミステリの大御所、和田はつ子先生の著作に、江戸時代の歯科医が大活躍する人気シリーズ《口中医桂助事件帖》というシリーズがあります。現時点で15巻出ています。
江戸時代の歯科医が活躍するということで、前々からインタビューさせて頂きたかったのですが、昨年やっと実現しました。和田先生の時代ミステリインタビューは、以下から読めます。
http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/130901.shtml
最新刊は、『春告げ花』で、粗筋は以下です。
『春告げ花』和田はつ子著、安里英晴カバーイラスト、《口中医桂助事件帖》第13巻
'14/1/4、小学館文庫、552円
大店のお転婆娘、彼女はお嬢様から町娘に変身するために利用している寺で死体に出くわしたり、連続殺人犯に狙われたり、親戚の叔母夫婦の家の怪奇現象に関わったり。果ては実家の庭からお宝が出てきたり――。そんな彼女と知り合った桂助、鋼次は、次々に事件に巻き込まれていく。そして、いつしか、通ってこなくなっている志保の役割を果たすようにさえなる……
また和田先生は、昨年末に江戸時代の医者を描いた意欲作『大江戸ドクター』を出されたので、そのインタビュー記事も以下から読めます。
http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/131201.shtml
実は、サイン本を頂いたので恐縮しております。
『大江戸ドクター』の粗筋は以下
『大江戸ドクター』和田はつ子著、ヤマモトマサアキ装画
'12/11/5、幻冬舎、1600円
粗筋:
幕末の江戸、据物師である小田孝右衛門は、職業がら施餓鬼の時期には縁のある市中の寺院に毎年寄進していた。可愛い恋女房の陽恵は、長い付き合いの南町奉行所定町廻り同心倉本和之進の妹だ。
ある日、医術を極めに長崎に行った昔なじみの医師里永克生が、木挽町のかつての居宅に戻ってきたとの報を聞き、思わず笑みのこぼれる孝右衛門であった。しかし、長崎で西洋医学の先端を学んできた克生が、患者を眠らせて施す歯抜きの術でで評判になっていると聞き、孝右衛門は、解せぬと落胆する。和之進とともに訪れた克生の診療所では、神薬と呼ばれる麻酔を駆使して歯を抜く克生の姿があった。
密かに愛した恩師の娘の面影を胸に、自分が守れなかった命だけを数えてきた医者と過去に囚われ続けている患者との交流。
金には不自由しない両替商の舌癌、人気噺家がひた隠しにする痔瘻、梅毒で鼻がもげた大名家のお世継ぎ等々、蘭方医克生の技が冴え渡る……