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今日は相続の開始についてお話します。
相続は民法により、「死亡によって開始する」と決められています。
つまり、相続は被相続人が死亡した瞬間から開始されます。
被相続人が死亡すれば、その相続財産は相続人の意志や内心などにかかわらず、
相続人にまとめて承継されることになります。
では、相続における「死亡」とはどういう意味なのでしょうか。
実は、死亡には医師によって死亡が認められた自然的な死亡のほかに、
法律上、死亡とみなされる「失跡宣告」や「認定死亡」を含む3種類があります。
以下に、法律上、死亡と認められた失踪宣告、認定死亡の特徴について記していきます。
失跡宣告
失跡宣告とは、人が行方不明になり一定期間、生死が不明の状態となった場合、
その不明者を法的に死亡とする制度です。
これは、生死不明な状態が長く続いた場合、
残された配偶者が再婚できないなどの問題が生じてくるからです。
失踪宣告は、配偶者や相続人が家庭裁判所に申し立て、
認められれば死亡とみなして相続が開始されます。
失踪宣告には、「普通失踪」と「特別失踪」の2種類があります。
普通失踪(蒸発など):7年以上所在が不明の場合、家庭裁判所に申請
特別失踪(災難など):災難が去って1年以上、生死が不明の場合、家庭裁判所に申請
認定死亡
認定死亡とは、水難・火災・震災など、生死の不明な者(死体が発見できていない者)で、
死亡の可能性が高い場合、死亡と認定する制度です。
取り調べにあたった海上保安庁や警察などの官公庁が死亡を認定して、
認められれば死亡と確定されて相続が開始されます。
なお、失踪宣告と認定死亡は
「不明者が実際に死亡したかどうかはわからないが、
死亡した可能性があるので死亡したものとして取り扱う」という点では同じです。
しかし、詳細については違いがあるので、相違点を下記に記していきます。
死亡の確実性
失踪宣告:不明者の生死が不明であっても使用することがある
認定死亡:不明者が死亡している可能性が高い場合に使用する
認定される機関
失踪宣告:家庭裁判所が裁判で決定
認定死亡:官公庁が死亡を認定し、戸籍事務を取り扱う市町村長に報告
法的効果
失踪宣告:不明者に対して死亡したと「みなす」
※「みなす」とは「法的に認める」という意味も含まれています。
このため、実際に不明者が生きていた場合でも、すぐに失踪宣告が取り消されることはなく、
再度、家庭裁判所で失踪宣告取消の裁判をしなければなりません。
認定死亡:不明者に対して死亡したと「推定」
※「推定」であるため、推定の事象を覆す根拠
(例えば不明者が実際に生きているなど)を示せば取り消されます。
つまり、戸籍の死亡の記載は訂正されることになります。
失踪宣告と認定死亡には、このような違いがあります。