愛着のある大切な靴を蘇（よみがえ）らせる靴修理人（2/3）

思い入れのある靴を長く使い続けてほしいから

　靴に関わる仕事を始めようと思ったのは1996年、24歳の頃から。小さい時から器用で工作好きだったという梶田さん。メーカーに入社して船舶エンジンのサービスエンジニアとして数年間勤めるうち、体を支える靴の大切さに気付き、魅せられたのが靴業界に入るきっかけだそう。

　1998年には「足と靴の店フットライト．」を創業し、まず靴の販売を始めました。しばらくして仕入れ先だった靴問屋から声が掛かり、同社で営業・企画担当として務めることに。「その会社でドイツ整形外科靴マイスターを招いての勉強会に参加したこともあり靴に関するあらゆる知識を得られました」。さらに手先の器用さを見込まれて靴の修理担当に転向。靴修理の技術も基本からしっかり身に付けたといいます。「ドイツの靴マイスターの話などを聴く機会もあり靴を大事にしないですぐに捨ててしまう文化について深く考えさせられました。モノを大切にして、直せるものは直して長く使い続けてほしいという思いがこの仕事に魅力を感じた大きなきっかけです」と梶田さんは語ります。

　そのため、まず依頼の目的を聞いたうえで、予算や修理内容についてメリット、デメリットも含めて率直に提案し、納得のいく見積りやプランを選択してもらってから修理に取り掛かるという手順で良心的に対応しているそうです。「他店の相見積もりを取って検討していただいてから注文していただいても構いません」との言葉にも自信のほどがうかがえます。

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