Mybestpro Members

後藤五郎プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

人魚を題材にした鏝絵作品

後藤五郎

後藤五郎


漆喰を使って造形する「鏝絵(こてえ)」は、日本の左官文化が生んだ独自の伝統技法です。かつては家屋の装飾や魔除けとして用いられ、地域ごとに特色ある意匠が残されています。私はその技術を現代に活かし、単なる建築装飾の枠を超えた「漆喰アート」として新しい表現に挑戦しています。

今回制作したのは「人魚」を題材にした鏝絵です。
白一色の漆喰で形作られる人魚は、シンプルでありながら光の加減によって豊かな陰影を生み出し、幻想的な世界観を表現しています。女性らしい柔らかな曲線や、流れる髪の毛の表現は、鏝の一振り一振りに集中力を込めて仕上げた部分です。

人魚が手にしているのは小さな真珠のような球体。
「海の宝」や「生命の輝き」を象徴として盛り込みました。漆喰という素材自体も自然由来であり、土や石灰、海藻糊といった恵みを受けて完成するものです。そうした素材の持つ力と、人魚という神秘的な存在を重ね合わせ、この作品を形にしました。

鏝絵は、単なる鑑賞作品であると同時に、建築空間の中で生き続ける芸術です。時を経ても白さを保ち、周囲の光や空気と調和しながら、その場所に物語を与えてくれます。
私はこれからも、日本の伝統を大切にしながら、現代の感性に響く漆喰アートを発信してまいります。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

後藤五郎
専門家

後藤五郎(鏝絵師)

漆喰アート仁五株式会社

江戸時代後期に誕生した、漆喰で模様を描く「鏝絵」の職人として30年以上活動。鏝絵の伝統を継承しながらも、立体感と迫力のある作品作りに挑み、鏝絵の新地平を開く。

後藤五郎プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

伝統を昇華し新たな鏝絵の地平を切り開くプロ

後藤五郎プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼