雷神 制作過程

雷神 ー 天を駆ける力の象徴 ー
古来より日本では、自然現象に神が宿ると信じられてきました。
その中でも雷神は、雷鳴とともに現れる畏怖と祈りの対象。
空を割くように鳴り響く雷の音は、人々にとって災いの象徴であり、同時に豊穣の兆しでもありました。
今回制作したこの鏝絵《雷神》は、そんな日本神話に登場する雷神を、左官技術の中でも高度な「鏝絵」によって立体的に表現したものです。
漆喰という自然素材に命を吹き込み、荒々しくも神々しい姿を浮かび上がらせるこの技法は、単なる装飾にとどまらず、空間そのものに物語を生み出します。
作品では、雷神の髪や太鼓、そしてうねる雲に動きを持たせ、今にも空から舞い降りてくるような迫力を意識しました。
伝統技術の継承でありながら、現代空間にも響く“和の立体アート”として、海外からも注目をいただいています。
建築装飾として、また空間演出として、こうした日本ならではの表現を取り入れてみてはいかがでしょうか。
鏝絵は、空間に静かなる神話を宿す、唯一無二の存在です。



