北九州・小倉で「一般建築物石綿含有建材調査者」の講習を受け試験に合格しました。
記憶に新しいあの未曾有の東日本大震災から12年たちました。
あの日は、大学受験に甥っ子が大分に訪れ、受験会場の下見に連れて行っていた時でした。
妻に連絡を取ると「東北の方で大変なことになっている」と聞き自宅に戻ってテレビでの連日の報道に愕然と見ていたことを思い出します。
経験したことのない事態が起こり、日本中混乱していました。詳細の検証はいろんな人が論じていますが、建築に携わるものとして私がショックだったことは、津波で建物が流されている映像でした。
東日本の建物は、九州の建物に比べ雪の重みに耐え風雪に耐えるよう頑丈に造られているといるという認識があり、いとも簡単に流されているため衝撃でした。
延べ床面積30坪の総2階の住宅の重さは、考え方はいろいろありますが、屋根15t・壁15t・構造体8t・基礎30tほどで、合計68tとなります。数字ではものすごく重たいものに見えますが、地面から1.4m以上水につかると浮力が生じ、気密のいい今の家ほど船と化し水に浮いてしまいます。
水害等で家が流される原因の一つに「浮力」が影響していると思っています。
本来、人の命を守るべき「箱」である建物がいとも簡単に「流される」ことにどう対応すればいいのか…今後の課題の一つです。
写真は、先日耐震診断した老夫婦の地震対策です。恥ずかしがられていましたが写真を撮らせていただきました。
地震の時に食器が飛び出ないように家具の取っ手に棒をさしておられました。
毎日炊事をするたび面倒くさいと思いますが、素晴らしいと思いました。
この意識が、災害から命を守る、犯罪から命を守る、そして健康寿命を延ばす家づくり。につながっていくんだろうと思います。
建築に携わる一人として「一家和楽の家づくり」を常に…。