整体やマッサージ後に腰痛などの症状が戻る人の特徴
コラムをご覧いただきありがとうございます。大分駅前整体院の河野貴彦(こうのたかひこ)です。
当院に来院される症状で腰痛関連の症状に次いで多いのが変形性膝関節症などの「膝の痛み」です。
膝の痛みは下は足から上は肩まで様々な原因で発生しますが、今回は足が原因で起きる膝の痛みについて書いていきます。
まずは足が膝の痛みにどのように関係するのかを説明していきます。
なぜ足が膝の痛みに関係するのか?
細かいことを言うと膝の屈伸時に脛骨の内外旋が伴っていたりしますが、基本的に膝関節単体としては屈伸が行われます。
歩行動作などで膝の屈伸動作に伴い、股関節や足関節の屈曲・伸展も連動して行われます。
なのでいくら膝関節単体では異常がなくても、股関節や足関節に問題があると連動して動いているので膝の痛みにも影響してきます。
では、どのような足の問題が膝の痛みに繋がるのか説明していきます。
足の硬さが膝の痛みに繋がる?
ほとんどの場合、膝の痛みは立ち上がったり歩いたりなどの動作時にみられる事が多いです。
このような動作の際に問題となりやすい足首の異常としては背屈動作制限です。
背屈動作というのは足の甲側に足を返す動作のことで、膝の痛みを感じている方の足を見てみるとかなりの確率で背屈の硬さがみられます。
次はどの程度から「硬い」と言えるのかについて説明します。
足関節の背屈の硬さの基準
背屈の硬さの基準といては、寝た状態で下腿(すね)に対して足首が90度の状態を無理なくできるかどうかです。
この寝た状態で下腿に対して足首が90度というのは、普段立っているのと同じ状態の足の角度を寝た状態でも簡単にできるかということです。
「はっ?立った状態と同じならできないわけがないでしょ!」
と言われることが多いんですが、これができなかったり、できても硬くてその状態を維持できない人ってかなり多いんです。
この動作が硬いということは歩いたり走ったりする際に足首にもろに衝撃が加わるので、ケガをしやすかったり、運動の際に様々な場所の負担に繋がります。
では、何が原因で足首の背屈が硬くなるのかを説明します。
足首を硬くする原因
足首の背屈が硬くなる原因としては当然アキレス腱の硬さも考えられます。
しかし、アキレス腱よりも重要な場所として「下腿骨間膜」があります。
下腿骨間膜というのは膝から下の脛の部分の2本の骨の間に張っている硬い結合組織のことをいいます。
この下腿骨間膜が硬くなると足首の背屈が制限され膝の痛みの原因になります。
また、足首の背屈制限以外にも下腿骨間膜が硬くなることで腰椎(特に上部)に影響を与えます。
上部腰椎からは大腿神経などの膝周辺への神経が出るため、下腿骨間膜が硬くなることで腰椎が影響を受け、直接神経支配を受けている膝周辺の筋肉に異常が出ることで膝の痛みにも繋がります。
つまり、下腿骨間膜が硬くなることで足首だけでなく腰からのダブルパンチで膝の痛みに影響します。
まとめ
少し余談でアキレス腱にも触れましたが、足首の背屈の硬さはアキレス腱より下腿骨間膜が及ぼす影響の方が、実際に患者さんを施術していて高いように思います。
アキレス腱であれば自分でマッサージなどで対応しやすいですが、下腿骨間膜の部分はセルフでのマッサージやストレッチは比較的難しい場所です。
なので、膝の痛みで悩んでいて足首の硬さがあるような場合は早めに専門家にみてもらうことをオススメします。