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【実録】たった1.5日で社内アプリ開発!AIを「デジタル社員」として活用する、中小企業のDX最前線

利光哲哉

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テーマ:生成AI

IT人材不足、コスト削減、業務効率化… これらは多くの中小企業が抱える共通の課題ではないでしょうか。もし、これらの課題を解決してくれる優秀な「デジタル社員」を、すぐにでもチームに迎え入れられるとしたらどうでしょう?
今、AI技術の進化によって、それが現実のものとなりつつあります。
今回は、AIアシスタントツールを活用し、わずか1.5日で社内向けのアプリケーション開発を完了させた、驚くべき事例をご紹介します。

きっかけは社内の「ちょっとした不便」
日常業務で利用する類似文書や図面検索やPDFファイルの認証作業に手間がかかっていました。この「ちょっとした不便」を解消するため、オリジナルのアプリケーション開発をスタート。
しかし、開発には専門知識と時間が必要です。そこで利用したのは、Microsoft Visual Studio Code(VC) に搭載された GitHub Copilot などのAIエージェント(AIアシスタント)です。
開発プロジェクトが始まると、AIエージェントはまさに「デジタル社員」そのものでした。AIエージェントがコードを自動生成・補完してくれるため、私はVCのターミナルで進行状況を確認しながら、指示を出すだけで開発を進めました。
AIエージェントが環境構築からPython言語などを使ったプログラミング作業を驚異的なスピードで進めてくれます。
VC画面-01
具体的な開発ステップは以下の通りです。

1.試作品開発:
まずはAIエージェントに、自分のデスクトップパソコン上に動作環境を構築させ、プログラミング作業を行い、アプリが正常に動作することを確認。
2.クラウド連携:
次に、全社員が使えるように、クラウド(Microsoft OneDrive)を活用したクラウド連携型の仕組みに移行し、社員のPC環境とクラウド環境が連携して正しく動作するかを検証しました。これもAIエージェントがスムーズに実行してくれました。
3.マニュアル等の書類作成:
クラウド連携型の動作確認が取れた段階で、AIエージェントが社員向けに配布するための インストールパッケージ手順書、トラブルが起きた際の対処法をまとめたFAQ等 を自動で作成。
4.配布パッケージの作成:
全社員が簡単にインストールできるよう、社員に配布する全てのファイルをまとめた「インストールパッケージ」をAIエージェントが準備。さらに、配布案内メール文も作成。
5.開発の仕様書などのまとめ:
最後に、本プロジェクトでのプロジェクトの計画書、技術的な仕様書等の開発資料もAIエージェントが自動で作成。

これら一連の作業が、すべてAIエージェントとの対話形式で進んでいきました。

1.5日間で生まれた驚異的な成果
このプロジェクトの結果、生み出されたフォルダの数は920、ファイルの数は8,342にも及びます。そのほとんどは、アプリを動かすための専門的なファイル(開発環境用の.venvフォルダなど)ですが、これらをすべてAIエージェントが自動でインストールや生成してくれたのです。
VC画面-02
VC画面-03
AIの活用によって得られた効果は、計り知れません。
・作業時間70%短縮: 30分かかっていた作業が9分に。
・年間500万円の効果: コスト削減と生産性向上を実現。
・セキュリティ強化: 文書の改ざんリスクを大幅に削減。
まさに、AIが企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を力強く推進してくれた瞬間でした。
VC画面-04
さらなる進化へ。AIとの協業は続く
このアプリ開発プロジェクトは、スタートからわずか1.5日で完了しました。しかし、このアプリの進化はまだ終わりません。現在は、このアプリをパソコンにインストールせずに Web上で動作する形へシステム改良に、着手しています。
この改良作業も、もちろんAIエージェントと共同で進めています。
Microsoft Azureの App Service を活用し、Azure Cloud Shell 上で動作環境を構築。これはブラウザ上で使えるAzureのコマンドライン環境で、Azureのリソースを操作できる便利な機能です。AIエージェントには、Azureのコマンドライン環境で動作するBashスクリプトの作成も任せています。もちろん、アプリのプログラムも データ管理・処理・Web表示 まで、Azureベースで動作するようにAIエージェントが改造中です。
Microsoft Azureというクラウドサービス上にシステムを構築するための専門的なプログラム(Bashスクリプト)も、AIが一瞬で書き上げてくれました。
VCのAIエージェントは、まさに頼れる相棒。Python言語での開発も、動作確認をしながら効率的に進められます。

4人の「デジタル社員」と働くということ
並行して、他の業務もAIエージェントに任せています。アプリ開発は 手作りのAMDデスクトップパソコンで行い、その他の作業は Copilot+PCのノートパソコン:2台、通常のノートパソコン:1台、iPad:1台 を駆使し、それぞれにAIエージェントを起動させて、複数の異なる仕事を同時並行で進めています。まるで、非常に優秀な4人の「デジタル社員」と一緒に仕事をしているような環境です。
彼らは本当に仕事が早く、出来も良いので、次々と上がってくる成果物を確認し、頭の切り替えで的確な指示を出すのが大変です。まるで、優秀な相棒を何人も同時にマネジメントしているような感じです。
でも、コーヒーカップを片手に、あちこちのパソコンを見て回る日常は、まさに未来の働き方を感じさせてくれます。

AIの活用は、もはや一部の巨大企業だけのものではありません。
むしろ、限られたリソースで最大限の効果を出す必要のある中小企業にこそ、大きな可能性をもたらしてくれます。
専門家でなくても、AIを「頼れる相棒」として迎え入れ、会社の成長を加速させてみてはいかがでしょうか。

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利光哲哉
専門家

利光哲哉(DXコンサルタント)

利光コンサルティング

約40年のIT実務経験と大学での教育・研究実績を基に、生成AIをスマホ等で活用するなど中小企業のDXの最初の一歩からを支援。社員が主役の業務改革を支援します。企業に「テクノロジーの民主化」を!

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