タイムマネジメントの全体像
タイムマネジメントとは1日24時間を27時間にする魔法ではなく、時間のやりくりのことです。
要は、いつ、何を、どれぐらい行うのかという自分の行動を主体的にコントロールすることで幸せな人生の実現につなげていくことが目的です。誰しも楽しくないより、楽しい方が良いに決まっていますよね。もちろん、何が楽しいのかは人それぞれ。どうせだったら自分が楽しいことに多くの時間を使っていきたいものです。
ところが、この時間というものは、工夫して作り出し、意図して確保しなければどんどん消えてなくなります。一日が終わった時に、何に使ったのかわからないなんてことありませんか。
特に現役世代は、ともすれば会社と自宅の往復だけになってしまいがち。成長のために20代の一定期間は仕事だけに時間を使うということは個人的には反対ではありませんが、それが自分の行きたい方向とズレたままでいると人生は1ミリも進みません。
だからこそ、効率的に仕事を処理し、人生において本当に大切ことに使う時間を捻出する必要があるのです。
そして、タイムマネジメントを知ると仕事の進め方も必ず上手くなります。
仕事には必ず締め切りがあります。それは1人で完結するものではないということを意味しています。自分の次にパスをする人がいて仕事は成り立っているわけです。
例えば、私の企業研修講師という仕事の場合。資料を作って担当者に送付すると人数分の資料を印刷しておいてくれます。席の配置やプロジェクターなど必要なものを連絡しておけば準備をしてくれます。資料の送付や準備物の連絡が遅れてしまうと担当者が対応する時間が少なくなり、ミスが起きるかもしれません。このような迷惑をかけないようにするためには、先方から提示された期限より前倒しにして資料作成を進める必要があります。
これは能力ではありません。ましてや、気合いや根性でもありません。技術です。
他人とのやり取りがあるという点では、メールも同じように技術が必要です。私は、原則として法令などの問い合わせメールには即レス（すぐに返信）していません。すぐに返信することは、確かに相談者にとっては良いことでしょうが、突発的なメールへの対応は私が今取り組んでいる仕事の手を止めるということです。仕事と仕事の合間に対応したとしても、それにより今日の予定タスクが終わらないということは避けなければなりません。
そして、即レスが常態となると困ったことが起きます。それは、少しでも遅れると相手の不満につながり、スケジュール感にも影響してくるということです。要は、可能な範囲で期待値を下げておきたいのです。緊急なら電話がかかってくるので問題ありません。
ただし、自分で設定したルールはあります。即レスはしなくても24時間以内には何らかの返信をします。調べるのに時間がかかりそうなら「メールを確認しました。3日以内に返信します。」このような合いの手を入れておきます。
逆にメールを送っても平気で3～4日は放置される時もあります。合いの手がないと（メールが）届いているのか心配になり、確認の電話をしたりと無駄な時間が発生してしまいます。
さらに即レスをしないというルールにも例外があります。それは日程調整です。決定するまでは相手も他の予定を入れられず、候補日が宙に浮いてしまいます。
タイムマネジメントは自分の時間を有効に使う技術です。しかし、それは同時に、関わる他人の時間も無駄にしないということでもあります。
タイムマネジメントの技術が広がれば社会はもっともっと良くなる。そう思いませんか？
