発送方法を深堀り! ヤマト運輸・佐川急便が値上げ 送料値上の対策、安い資材・発送方法で送ろう!
ヤマト運輸と佐川急便がそれぞれ値上げを発表しました。
おおよそ10%の値上げが見込まれており、早ければ4月より順次新金額に適用されていきます。
値上げの背景にはECの拡大で宅配荷物が急増し、ドライバーの賃金単価の上昇、燃料、資材価格の高騰などがあります。
値上げによる輸送コスト増大! 対応はどうする?
通信販売での値上げによる輸送コスト増大は待ったなしで迫っています。
この場合、考えられる対応策として2つ考えられます。
1つは出荷梱包の改善、もう1つは商品形状の見直しです。
それぞれ大前提として、運送会社のサービスをしっかりと知っておく必要があります。
私の以前のコラム、運送会社を知る 通販出荷向きな利用すべき運送会社はメニューは
こちらを参考にしてください。
目次
出荷梱包の改善策
1 小型の宅配便、メール便で送る
まず厚さ3cm以内の商品であればメール便での発送を試してみましょう。
全国一律料金で安く設定されているので、発送コストを大きく下げることができます。
また厚さ5cm以内、A4サイズ以内の物であれば小型の宅配便(宅急便コンパクト、レターパックプラス)が使えます。 特にレターパックプラスは専用封筒に入れば全国一律料金520円なので積極的に試してみましょう。
2 梱包に使用する箱のサイズを見直す
ジャストサイズの箱を探すのもいいですが、コストを考えると同じサイズで2~3種類、形状の違うものを準備するのがよいかと思います。
〇例として 3辺が同じぐらいの物、1辺だけ長いもの などが挙げられます。
汎用性が高ければ使用する頻度も上がり、無用な在庫を減らすことが出来ます。
また同じサイズに分類される箱でも大小いろいろなサイズがあります。
〇例として80サイズ分類でも 3辺合計68cm、78cmなど
サイズぎりぎりで大きいものだけだと隙間ができたりと無駄が多いので、サイズの中間サイズを揃えることで、ダンボール代の節約、緩衝材の節約にもつながります。
3 箱の入れ方を工夫する
次に試したいのが段ボール箱への入れ方です。
「隙間なく」、「規則的に」、「無理なく入れる」ことを意識してみましょう。
「隙間なく」
まず梱包内に隙間がないかどうかを徹底的に確認しましょう。緩衝材を入れて隙間を消している場合も隙間ありと同様です。(そもそも緩衝材も値上げ傾向にあります。)
隙間が大きいほど開けたときのがっかり感が強く、顧客満足度が低下します。
また破損リスクも高まり、クレームのもとにもなります。
適した箱を使えているか、いろいろ試してみましょう。
緩衝材に関しては適時・適量に使うのがよいかと思います。
「規則的に」
商品の表裏・上下を揃えることがまず基本になります。
その上で隙間をなくして入れることを両立させる場合には、分かりやすいパターンで組み合わせるように入れると、隙間なくきれいな印象を持ってもらうことができます。
商品の形状に合わせて工夫をするとよいでしょう。
例として
〇1段目は上向きに統一、2段目は下向きに統一して入れる
〇上・下・上・下 のパターンで入れる など
「無理なく入れる」
無理やり入れるのは商品をきれいに送るということから反しており、顧客の理解は得られないでしょう。また衝撃での破損も考えられますので基本的にはやめたほうが良いでしょう。無理なく入れることも大切だと思います。
サイズを1つ下げることができれば送料・ダンボール代・緩衝材代を大きく下げることができるので出荷梱包の方法の見直しをしてみましょう。
商品形状の改善策
今後の通信販売に求められる商品の形状についてまとめていきたいと思います。
メーカーと仕入れ側でそれぞれ対応方法が異なる項目ですが、ポイントは同じです。
通信販売の大前提で忘れてはならないのが、商品価格に送料が乗ることです。
現在この送料が高騰している状況で、送料がいくら商品価格に乗るのかが今後の通信販売で商品が売れる・売れない、利益が出る・出ない、の分水嶺になってくると考えています。
いかに送りやすい形状をしているか
安く送る方法であるメール便や小型の宅配便に対応できるかがポイントになってきます。
具体的な条件として、「厚さ3cm以内A4サイズ以内」「厚さ5cmA4サイズ以内」「割れないモノ」が挙げられます。
「厚さ3cm以内A4サイズ以内」
飛脚ゆうパケット、クリックポストに対応するサイズです。全国一律料金で安く送ることができるので他の商品と比べて断然有利になります。
「厚さ2.5cm以内」をクリアしてくれば、宅急便速度で全国一律料金安く送れる「ネコポス」を使用することができます。
「厚さ5cm以内A4サイズ以内」
宅急便コンパクトを使えるサイズです。少々サイズを前後してもレターパックプラスに入るサイズなら十分OKです。 宅配便より安く送れるのでほかの商品より有利になります。
「割れないモノ」
ビン類などはどうしても破損の恐れがあるため、メール便や小型宅配便で送ることが難しくなってきます。ペットボトル・ポリ容器など衝撃に強い、割れない素材・形状のものに転換していくことも通信販売では今後大事になってきます。
送料がかかってしまう商品形状であればあるほど、買い手側からしても割高感が強くなってしまい、商品形状で売れる・売れないが決まってしまう場合が増えてきます。
メーカーであれば メール便・小型宅配便に対応した商品を作成する
仕入側であれば、それに準じた商品を仕入れるということが今後の通信販売のポイントになってきます。
出荷梱包・商品形状の改善策 まとめ
商品価格の高騰・物流コストの増大を受け、通信販売の今後を見据えた場合、発送方法の見直し、商品形状の見直しは競争力の確保の意味も込めて待ったなしの状況です。
価格転嫁は仕方のない話とはいえ、節約できるところはしっかりと節約できるようにできる体制づくりが非常に大事になってきます。
楽天の39ラインなど送料無料ラインの上昇の気配もないことから、いかに安く送るかを真剣に検討する時期が来ています。
ぜひ今回のコラムのポイントを参考にしながら発送の改善に取り組んでいただければ幸いです。