通信販売は送料無料でないとだめなのか?実際のデータを使った検証 通説の間違いと、送料無料と客単価をどう掛け合わせるか
どの商売でもクレームはあるものですが、通信販売でもクレームはあります。
通信販売のクレームの場合 主に5パターンに分けられます。
「運営で防げるクレーム」
「店と関係のないクレーム」
「店の責任ではないクレーム」
「店の責任よるクレーム」
「店の運営で改善が必要なクレーム」
この5パターンのクレームの対応方法をまとめていきます。します。
通信販売での商品売買契約の成立について
①店舗側が店舗概要(「決済」・「発送」・「返品」など)、「商品説明」、「購入時の注意」を記載・公開する。
↓
②買い手側がこれらを読んだうえで購入手続きを行う。
↓
③入金・決済が行われたのを確認し、店舗側が購入内容の商品を発送する。
↓
④買い手側が発送された商品を受け取る。
この場合 ①③が店側の責任、②④が買い手側の責任で行われます。
内容を深掘りしますと
「決済」
決済方法の説明になります。
決済会社とは店舗側は決済実行・与信について、買い手側は支払方法で契約しています。
「発送」
発送方法・納期・到着の説明になります。
買い手側の商品の受け取り方、到着予測の目安になります。店舗概要以外にも商品説明の商品名・購入ボタン付近などわかるところに表示・できているとよいでしょう。
「返品」
キャンセル・返品の説明になります。
どういったときにキャンセル・返品ができるか、目安をしっかり書くことが重要です。
ちなみに通信販売ではクーリングオフはありません。(訪問販売の制度です)
「商品説明」
商品の内容・注意点の説明になります。
内容説明はもちろんですが、「発送」に書かれた内容、使用時・特にトラブルの起きやすい購入時の注意点などを見やすい位置(商品名・商品説明の一番上か購入カートボタン付近)に盛り込む必要があります。
「購入時の注意点」
決済前の最終注意点の説明になります。
「運営で防げるクレーム」のポイント
「運営で防げるクレーム」というのはいかに①のところがしっかりと記載されているかにかかっています。 店舗側から①で書かれていることを、買い手側が②で見て行動し、店舗側③、買い手側④で実行するので、①にすべてかかっているといっても過言ではありません。
注意点としては買い手側のほとんどが「商品説明」しか見ないで買うことです。店舗概要で書かれていることはどちらかといえば問題が起きたときの確認・解決方法に近く、「店舗概要に書いてあるから」と店舗側いうと、「わかりにくい」となってしまいます。
「景品表示法」でも「わかりやすく目の止まるところに表記する」と表記されておりますので、クレームに発展させないためにも「商品説明」をわかりやすく書く必要があります。
店舗側?買い手側? 責任の所在の判断の仕方
店舗側の責任範囲は店舗概要、商品説明で書いたことを実行すること
買い手側の責任範囲は(店舗概要や)商品説明で書かれたことを理解し購入、受け取ること
この2つが成立したときに売買が成立します。
ですがどちらかがそれを怠った場合、あるいはミスをしてしまった場合に問題が発生します。そこでどちら側に責任があるかどうかですが、 先の頁でもふれたとおり、買い手側は店舗概要をあまり見ず、商品説明部分を読んで購入します。店舗概要はこの問題を解決する手段が書かれていると考えたほうがいいでしょう。
〇店舗側の責任になる場合
□商品説明に書かれていることと違う「こと」・「もの」・「修正」をした場合
商品説明で間違えたことを書いていたまま買い手が購入した場合、それを実行する責任が発生いたします。修正をする場合は相手の同意が必要になります。不同意の場合はキャンセルか、賠償・交換・補填の必要があります。
□買い手側に商品が届かない場合
□届けた商品が届いた時点・未開封・未使用で破損・使用ができない場合
紛失・破損はないとは言えない程度あるものです。買い手側の責任が全くない場合は店舗側と運送会社との契約内容によります。破損の保険があれば運送会社に、なければ店舗で交換・補填の必要があります。
〇買い手側の責任になる場合
□商品説明に明記されているのに理解をしていなかった場合
買い手側が理解していなかった場合も数多くあります。この場合、記載された条件で呑んでもらうか、店舗概要「返品」で買い手側の責任で対応する必要があります。
□自身の個人情報、手配方法に誤りがあった場合
□ 店舗側が発送したにもかかわらず商品を受け取らなかった場合
これらの場合、買い手側の責任で回収・再発送・キャンセルをする必要があります。
再発送時の商品代(紛失の場合)、送料は実費を再請求する必要があります
出荷後のキャンセルの場合は決済手数料・送料実費のみを請求、商品代のキャンセル・返金になります。
□ 受け取りをして買い手側のミスで破損・使用ができない場合
店舗側・運送会社に一切の非がない場合、賠償の必要はありません。
これって関係ある?店舗に関係があるかどうかの判断
「店舗に関係のないクレーム」になるどうかは店舗の運営責任範囲かどうかで判断します。
店舗側の責任範囲は 商品管理(品質・期限など)、受注・出荷管理、梱包発送、が挙げられます。
反対に、店舗と関係がないのは
「買い手側の決済情報・管理・個人情報」、もしくは「モール販売システムエラー」など
一言で書くと店舗で絶対に操作できないものです。
買い手側でしかできないものは買い手側に、大型のシステムエラーなどは情報を収集したうえで、どちらが問い合わせるかを判断する必要があります。
クレームで店舗側の改善が必要な場合の判断
「改善が必要なクレーム」かどうかの判断は
店舗概要・商品説明通りに店舗側・買い手側が行ったのにトラブルが発生する場合です。
この場合は店舗概要・商品説明を変更・業務改善・削除のどれかをする必要があります。
〇変更
トラブルが起こるということは運用に問題があるだけでなく、定めた店舗概要・商品説明が適していない場合があります。問題が発生しない店舗概要・商品説明を変更する必要があります。(例:商品の仕様変更、発送方法変更など)
〇業務改善
定めた店舗概要・商品説明の範囲で創意工夫をすることで問題を起こさないようにすることも出来ます。一番行われている問題対応です。
〇削除
全く対応・改善できない場合は削除・やめることも大事です。トラブルを消すことも店舗の信頼につながります。
通信販売でのクレーム対応について まとめ
最後に、「クレームは改善のチャンス」とは言いますが、すべてを前向きにとらえることを私は良しとは思いません。まず起きたことを受け入れることです。
その上でまず
クレーム内容を精査すること
↓
何処に発生した責任があるかどうかを調査すること
↓
何が起きたか、どこに責任があるかを説明すること
↓
解決策を出し、問題解決に合意すること
を実行すれば双方納得の上で次に進むことができます。ここで初めて反省し、改善に進むことができます。お客様の声はいろいろなものがありますが、声を受け入れた上で改善・変更・削除を行い、万全の店舗概要・商品説明を作り上げれば安定した運営が可能になります。地道に一歩ずつ固めていきましょう。