2024年問題の対応は今から行おう!金額を抑えた発送方法を導入するには?
ヤマト運輸と佐川急便がそれぞれ値上げを発表しました。
おおよそ10%の値上げが見込まれており、早ければ4月より順次新金額に適用されていきます。
値上げの背景にはECの拡大で宅配荷物が急増し、ドライバーの賃金単価の上昇、燃料、資材価格の高騰などがあります。
実際私のところにも値上げのお見積もりが来て、すでに了承して交渉は終わっているのですが、その際に取材した運送会社の取り組み・本音についてお聞きしております。
値上げは燃料高騰より下請け企業のコスト
燃料高騰で値上げだというのなら、ここ最近では高止まりをしておりほとんど変わっておらず、疑問に思われる方も多いのではないかと思います。今回の値上げは燃料高騰より下請け企業、主に長距離を担当するトラックの労働問題が挙げられるとのことです。
ヤマト・佐川両社ともに言えるのが、営業所の近場を回るドライバーは自社の社員や自社契約のドライバーですが、長距離を輸送するトラックの場合は自社社員の比率は少なく、主に配送委託の下請け企業になることが多いとのことです。運転手の高齢化や過酷な労働環境が重なって人手不足に陥っており、賃金単価が上昇しているのが大きいとのことです。
ここに2024年4月よりトラック運転手の時間外労働が法律で年960時間までに制限され、人手不足が一段と進むことが予想されます。
輸送コストに見合わない大型荷物
10tコンテナを2連結した輸送、貨物鉄道輸送、海上輸送などへの転換などを行い、人員不足解消や輸送コストを抑える努力はしているとのことです。ですが、それ以上に頭を悩ませるのが、大型荷物です。
以前のSDGsのコラムで箱のサイズアップと体積の関係をまとめましたが、
私の店舗の箱の場合(※60サイズを1倍とした場合 ※cm3=立方センチメートル)
60サイズ(6,265cm3)→80サイズ(約3倍17,996 cm3)→100サイズで(約5倍30,740cm3)
と指数関数のように体積が大きくなっていきます。
特大のサイズ(160~200サイズ)を積むだけでコンテナ内の空間を占めてしまい、輸送効率が悪く、コストに見合わなくなっています。
またよくある話としてお伺いしているのが、大きな箱にスカスカの状態で梱包している場合です。箱の中が詰まっていると箱自体が頑丈になりつぶれにくいのですが、スカスカの状態であれば破損・つぶれが多発し、弁償問題も発生しているとのことです。
値上げ幅は大型荷物ほど大きくなる
今回の取材・見積もりなどを見て感じているのが
小さい荷物ほど値上げ幅は少なく、大きな荷物ほど大きく反映されていることです。
具体的には メール便系や小型宅配便、宅配便の小さいサイズは抑え目、
100サイズより上のサイズに関しては大きく値上がりしているのが特徴です。
また運送会社の社会情勢が長距離輸送面で不安を残すことから、来年以降も状況に応じてさらなる値上げの可能性が考えられます。
今回は値上げの背景と傾向・特徴をまとめました。
次のコラムでは値上げへの対策を提案していきたいと思います。