理想の住まいを描く

植松文也

植松文也

テーマ:建築よもやま話

ログ-外観正面

住宅の図面は、一本の線から始まります。
思いをかたちにする、最初の第一歩です。


前回は、理想の住まい造りの第一歩として、建築業者選びについてコラムを書きました。

            理想の住まいへの第一歩もご覧下さい。

しかし、オンリーワンへのこだわりがより強い方は、設計を建築家に依頼することをお薦めします。
そこで、理想の住まい造りの第一歩として、建築家選びについてお話しします。



建築家選びで大切なこと


注文住宅を建てるなら、誰もが自分らしいオンリーワンの家に住みたいと思うはずです。

  • 「開放的なリビングが欲しい」
  • 「庭とつながる暮らしがしたい」
  • 「冬は暖かく、夏は涼しい家にしたい」


思い描く理想は人それぞれです。

しかし、その希望を本当に実現するためには、誰に設計を依頼すればよいのでしょうか。

今回は、建築士の視点から、著名な建築家に依頼する方法と、地元の建築家に相談する方法、それぞれのメリットとデメリットを考えてみます。


ログ-LDK

1.著名な建築家に依頼する


テレビや雑誌で紹介される著名な建築家には、独自の設計思想や豊富な経験があります。
一般的な住宅とは一味も二味も違う、個性的な住まいを実現したい人にとって、魅力的な選択肢です。

メリット


  • 独創的なデザインが期待できる。 既成概念にとらわれない発想で、住まいを魅力的な空間にしてくれる可能性があります。
  • 専門性の高い設計が期待できる。 敷地の特徴や光、風、景色などを生かし、建物そのものを作品として考える設計に出会えることがあります。
  • 家づくりの新しい可能性を発見できる。 自分では思いつかなかった間取りや空間の使い方を提案してもらえるかもしれません。


デメリット


  • 設計料が高くなる場合がある。 著名な建築家は設計料が高額になることがあり、建築家によっては工事費とは別に相応の予算が必要です。
  • 設計の自由度と住みやすさは別の問題。 独創的なデザインが、家族の生活に合うとは限りません。
  • 意匠の指定や変更は難しいです。設計が進んだ段階で、お客様から間取りや仕上の変更などを希望すると、高額の追加が発生するか、拒否されることが多いようです。
  • 距離や打ち合わせの問題がある。 遠方の場合、現地確認や打ち合わせ、工事監理にかかる負担が大きくなることがあります。


確かに、著名な建築家に依頼することは、優れた作品に出会う可能性を高める一つの方法です。

ただし、名前や知名度だけで決めるのではなく、自分たちの暮らし方を理解し、共感してくれる相手かどうかを見極めることも大切です。

2.地元の建築家に相談する


もう一つの方法は、自分たちがどんな暮らしをしたいのかを考え、それを地元の建築家に伝えることです。

例えば、雑誌やインターネットで気に入った住宅の写真を集めたり、理想の間取りを簡単なスケッチに描いたりするだけでも構いません。
完成度の高い図面を用意する必要はありません。

大切なのは、自分たちが何を望んでいるのかを、建築家と共有することです。

メリット


  • 地域の気候や風土を生かせる。 地元の気候、日当たり、風の流れ、地域の暮らし方などを踏まえた提案が期待できます。
  • 相談や打ち合わせがしやすい。 距離が近ければ、敷地の確認や細かな相談、建築中の対応も進めやすくなります。
  • 予算と希望を調整しやすい。 優先順位を整理し、費用をかける部分と抑える部分を相談しながら計画できます。
  • 自分たちの暮らしに合った家を目指せる。 家族構成や生活習慣、将来の変化まで考えた設計につながります。


デメリット


  • 建築家によって得意分野が異なる。 デザイン性、省エネ性能、自然素材、狭小地など、設計者ごとに強みがあります。希望する住宅の実績があるか確認が必要です。
  • 自分の希望を伝える工夫が必要。 「おしゃれな家にしたい」という言葉だけでは、具体的なイメージが伝わりにくいことがあります。
  • 設計者との相性に左右される。 希望を丁寧に聞いてくれるか、専門家として必要な助言をしてくれるかによって、家づくりの満足度は変わります。


ただし、地元の建築家に相談しても、著名な建築家に依頼するよりも、必ず安いというわけではありません。

しかし、身近な相談相手と一緒に考え、試行錯誤しながら理想を形にしていくことには、大きな価値があります。


ログ-WD

3.自分で考え、専門家と一緒につくる


私が注文住宅を建てる方におすすめしたいのは、最初から設計をすべて専門家に任せるのでも、自分だけで間取りを完成させようとするのでもありません。

まず、自分たちの理想の暮らしを考えること。そして、その希望を建築家と共有し、専門的な知識を借りながら実現していくことです。

例えば、次のような項目を整理してみましょう。

  • 暮らし方: 家族が集まる場所、趣味の空間、家事のしやすさ
  • 空間の希望: リビングの広さ、窓の位置、庭やウッドデッキとのつながり
  • 性能の希望: 断熱性、省エネ性、耐震性、換気
  • 予算: 建物本体だけでなく、付帯工事や外構、諸費用も含めた総予算
  • 将来の暮らし: 家族構成の変化、老後の生活、維持管理のしやすさ


これらを整理しておけば、建築家との打ち合わせが具体的になります。

ただし、希望をすべて盛り込めばよい家になるとは限りません。
予算や敷地条件、構造、法規などの制約もあります。

そこで専門家の役割が重要になります。
希望をそのまま形にするだけでなく、優先順位を考え、必要に応じて別の方法を提案することも、優れた建築家の仕事です。


ログ-寝室

閑話休題(まとめ)


住まいは、完成した瞬間がゴールではありません。
その後、何十年にもわたって家族の暮らしを支える場所です。


だからこそ、建築家を選ぶときは、

  • 知名度やデザインだけで判断しない
  • 自分たちの話に耳を傾けてくれるか
  • 専門家として率直な意見を伝えてくれるか
  • 予算や暮らしやすさまで真剣に考えてくれるか


を大切にしてほしいと思います。

理想の家づくりは、建築家との対話から始まる


著名な建築家に依頼することにも、地元の建築家と一緒に考えることにも、それぞれの良さがあります。

大切なのは、誰に頼むかではありません。自分たちの理想を理解してくれる建築家と出会い、一緒に考え、納得しながら家づくりを進めることです。

注文住宅の本当の価値は、単に美しい建物をつくることではなく、そこに住む人が自分らしく、心地よく暮らせる場所をつくることにあるのではないでしょうか。

当社はお客様第一主義です。力になります。気軽に声をおかけ下さい。


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Mybestpro Members

植松文也
専門家

植松文也(一級建築士)

株式会社植松

建築は、プランニングで成否が分かれます。設計だけ、施工だけでなく、両方のバランスが重要です。法学部出身で一級建築士と1級建築施工管理技士を取得。設計・施工そして行政手続きまで、お任せ下さい。

植松文也プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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