気づきと気づかい

植松文也

植松文也

テーマ:建築よもやま話

なんか、人生コラムにありそうなフレーズですね。
それほど、生きていく上での大切な感性であるのは間違いありません。

人と人との関係において、「気づき」と「気づかい」は非常に重要です。
互いの気持ちや状況に気づくことができ、それに応じて気遣いの言葉をかけたり、行動を起こしたりすることで、相手との信頼関係を築き、より良い人間関係を築くことができます。


建築も、気づきと気づかいに支えられ、具現化します。

建築は、単なる物理的な空間ではなく、そこに暮らす人々の生活や文化を映し出してきました。
周囲の環境や人々の動き、そして目に見えない空気感までをも「気づき」、そこに新たな価値を見出す「気づかい」をかたちにしているのです。


ここで、ちょっとエクスキューズ。

今回のコラムは、私見と独断や拘りにあふれています。
不快に感じた方には、申し訳ありません。ご容赦下さい。

さて、話を続けます。


交通事故のニュースを聞く度に、せめてどちらかが交通意識が高く「気づき」と「気づかい」があれば、違った結果になったかもと思うことが良くあります。
私の運転歴は40年以上になります。
何度も、「ひゃり」と「はっ」としたことがあり、その経験に裏打ちされています。


例えば、歩道にこどもがいても、一切速度を落とさず走り抜ける車。
例えば、対向車線が渋滞していて歩行者が見づらくても、速度を落とすどころか加速する運転者。
例えば、身障者駐車区画に高級大型車輌を駐車して、スーパーのトレー回収箱にゴミを投げ入れる若い親子。
など、など。

本来、気づきべきところで、気づけなくて、それが常態化する。
気づきがないから、気づかいがないのは当然です。

そして、いずれ大きな事故を起こす・・・

LDK旧和室


さてさて、建築の話に戻ります。

私の建築との向き合いは、お客様第一主義です。
一般のお客様の希望や要望は、あやふやなことやおぼろげなことが多く、打合せの中から本音に「気づき」、より具体的なステージに展開して、プロジェクトを進めるように「気づかい」を行っています。


1. 可能性を見いだす

建蔽率・容積率や道路斜線など、法規の表面だけをなぞっていると無理と思える案件も、案外突破口があります。
法規にはただし書きや救済処置があります。
お客様の要望を最初から否定するのではなく、真摯に向き合うことで道が開けます。


2. 白を黒に、黒を白に

最初は内装コーディネートを白でと希望されていたお客様が、一転黒を基調にと変わられることは良くあります。
モダンをクラシックになど、180度違う展開にもなります。

正直、かなりキツい話ですが、それだけお客様との打合せが進んだと、自分自身を叱咤激励しています。


3. 話を具体的に

お互いに同じ話をしているつもりが、違うことを話していたって経験は誰にでもあることですね。
建築でトラブルとして多いのが、「イメージと違う!」というケースです。
私は、3Dキャドを駆使してイメージ違いが起きないようにしています。

ガウディーは図面は描かず、模型が中心だったそうです。大変な手間です。さすがです!


4. 人間工学とモジュール

家具は、人間工学から導かれた、基準寸法・基本単位に基づき造られています。
これはモジュールという手法です。
多くの人に違和感なく受けいられています。

建築もモジュールの手法に基づいていますが、家具や設備器具との融合・調和は軽視されてきました。
システムキッチンやベッドなどの寸法を記憶していない設計士もたくさんいます。

私はインテリアコーディネータ資格者の視線から、プランにはなるべく家具を配置して、動線と使い勝手をお客様がイメージ出来るようにしています。


5. お客様のお手伝いをいています

お金を出すのはお客様で、私はお金を預かり、お客様の希望や要望を実現するお手伝いをしています。
適正な施工による適正な利益を得ることで、継続的な営業活動とメンテナンス対応を続けて行ければと考えています。

平成5年(1993年)1月に独立して、30年以上が経ちました。
経営者としては負け組ですが、こうした取り組みは間違いではなかったと自負しています。
これからも、このスタンスを変えることはありません。

バックカウンター同内部


閑話休題

「気づき」ができないことは社会性の欠如ですが、「気づかぬふり」は重罪です。
終には、「記憶にない」と平然と言い切る、厚かまし輩の何と多いことか。

政治家の「裏金」はその典型です。
人間としての生き様を問われているのに、「政治にはお金がかかる」と反省の素振りすらない。
傲慢この上ない!!

建築にとって、重要なのは謙虚さです。
謙虚な視線から「気づき」が生まれ、気づきを積み重ねることで「気づかい」として具現化されます。

「住まい」はお仕着せでも、ものまねでも満足できません。
お客様と一緒に造るものです。
当社の熱意に気づき、お客様から「ありがとう」の気づかいが、日々の支えです。


雑談に最後までのお付き合い、ありがとうございました。

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植松文也
専門家

植松文也(一級建築士)

ハウジング植松

建築は、プランニングで成否が分かれます。設計だけ、施工だけでなく、両方のバランスが重要です。法学部出身で一級建築士と1級建築施工管理技士を取得。設計・施工そして行政手続きまで、お任せ下さい。

植松文也プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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