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2025年4月より、全ての住宅新築・増改築に省エネ基準への適合が義務づけられます。
4月1日以降に工事に着手する住宅が対象です。
仮に3月に確認申請許可を受けていても、着手日が4月であれば、適合義務が発生します。
適合義務の対象となる増改築は、いわゆる確認申請が必要となる増改築です。
単なる、模様替えや修繕・リフォームは適合の義務はありません。
なお、省エネ基準の住宅でないと住宅ローン控除が受けられないなどの差別化が、既に始まっています。
国が定める省エネルギー基準を満たした住宅が、省エネ基準適合住宅となります。
計算書や検査等により、認定を受ける必要があります。
省エネ基準の内容について。
省エネ基準は、一次エネルギー消費量基準と外皮基準の2つで構成されています。
一次エネルギー消費量基準:住宅で使用されるエネルギー量(電気、ガス、灯油など)を、エネルギー源の種類に応じて変換した一次エネルギー量で評価する基準です。
外皮基準:住宅の外壁、屋根、窓などの外皮性能を評価する基準です。
省エネ基準適合住宅のメリットについて。
光熱費の削減:省エネ基準適合住宅は、従来の住宅と比べて光熱費を削減することができます。削減率は、住宅の性能や使い方によって異なりますが、一般的には年間約10%~20%の削減が可能と言われています。
環境への貢献:省エネ基準適合住宅は、エネルギー消費量を削減することで、CO2排出量を削減し、地球温暖化対策に貢献することができます。
快適な住環境:省エネ基準適合住宅は、断熱性能が向上しているため、室内の温度差を小さくすることで快適な住環境を実現することができます。
省エネ基準適合住宅のデメリットについて。
建築コストの高額化:従来の住宅と比べて初期費用が若干高くなります。新築で100万程度、リノベーションで300万円程度が、増額の目安となります。
省エネ囲い込み:省エネ基準適合住宅を売りにして、必要以上に高額な見積を押し付ける可能性があります。建築コストは一般消費者には判断が難しいので、2社以上から見積を取りましょう。
ここからは、私見です。つたない意見、ご容赦願います。
適合対象となる増改築であっても、省エネ基準に適合させるのは増改築部分のみでOKです。
住宅全てを省エネ化することが理想ですが、部分的な省エネ基準適合でも、十分な成果を得ることが出来ます。
適合対象とならないリフォームこそ、国の支援策を活用して、省エネ改修を行って下さい。
また、省エネ基準適合は、大手やハウスメーカーでなければ実現出来ないなどと、誤った見解もあるようです。
計算書の作成などハードルは高くなりますが、数値化は簡単で、さほどの差別化にはなりません。
むしろ、的確で適正な断熱施工など、設計と施工両面から豊富なノウハウが重要です。
わたしは、一級建築士であり、1級建築施工管理技士でもあります。
わたしこそが、ノウハウと自負しています。
メーカーの設計と現場監督が、現場を熟知しているとは限らないのです。
さらに、コロナ・木材ショック・ウクライナの前後で建築コストは1.5倍というデータもあります。
原価が高騰したことは、確かです。
しかし、便乗値上げの面も否定できません。
特に、ハウスメーカの高規格化を売りにした高額化は顕著です。
省エネ義務化が大義名分となり、建築コストのさらなる高額化を引き起こす可能性もあります。
閑話休題
これから新築するのに、省エネ基準適合住宅を必要としない人は希だと思います。
来年から義務化されても混乱や影響は少なく、適合住宅として数値化・認定化することで手抜きがない合理的な住宅が増えることでしょう。
さらに5年後の2030年4月からは、ZEH(ゼッチ)水準となります。
省エネ基準からZEH基準への建築コストの増額の目安は、50万~100万円程度です。
ZEH基準の光熱費低減などのメリットもさることながら、住宅の資産価値は大きな差が生まれます。
今なら、最大140万円の補助額やローン減税・借入金利の優遇が受けられます。
できる限り、ZEH基準を目指しましょう。
最後にZEH基準住宅の簡単な説明です。
ZEH住宅:Net Zero Energy Houseの略称で、年間のエネルギー収支をゼロにする住宅を指します。太陽光発電システムなどを活用し、消費するエネルギーは太陽光発電で発電したエネルギーで賄う住宅です。
雑談に最後までのお付き合い、ありがとうございました。