字図混乱地域で大混乱?

植松文也

植松文也

テーマ:建築よもやま話

字図(公図)とは、土地の形状や位置を地番を付けて表示した地図です。法務局に保管されています。

国土調査が実施されていない地域では、測量図に代わり、重要な役割を担っています。、
明治からの地図が元になっているので、図面のような正確さはありませんが、道路や周囲との位置関係などを確認し、土地の価値を算出する公的根拠などの用途に使われます。


本来は、全ての土地が地図に記載されているはずなのですが、一定の区域で抜け落ちていたり、全く違う場所に組み込まれていることがあります。

こうした状況は、「字図混乱地域」と呼ばれ、全国にかなりの数あるようです。


登記簿謄本だけでは、周囲との状況を把握することができないために、工夫をしないと担保価値が設定出来ず、売買やローンが組めないなどの弊害があります。


実務では、下記の通り対処しました。


1.住宅ローン契約

当初は政府系金融機関に申し込んでいました。
たくさんの補足資料を提出した挙げ句、3ヶ月以上も経ってから、否決されました。
手抜き、無責任も甚だしいものです!

地元の十○親○銀行に申し込んだら、1週間程度でOKでした。
さすが、地元です。


2.相続と抵当権などの登記

補足資料を提出して、意外とすんなり粛々と完了しました。
それだけ、全国的にレアケースではないのでしょうね。


字図の例


ここで一休み。

ハウスメーカーなどの大手なら、それぞれに専門家が対処して相応に完結して・・・。
あるいは、関わっても利益が出そうにないと見限って、事業をあっさり切り捨てることも・・・。
大きな企業の建築屋は建築だけを全うして、専門的知識をより高めることができて、ある意味で羨ましい。

わたしのように地元に根ざして、お客様に寄り添ってやっていると、いろんな経験・勉強をします。
一人だと、気楽な反面、悶々ともします。


閑話休題。

今回の決め手は、補足資料でした。
補足資料の内容は、個人情報であり、企業秘密なので詳しくは公表出来ません。

と、これで終わってしまう話ですが、関係先が納得する資料を作ることは、大変な労力と、知識・経験の裏付けが必要です。
とは言え、こうした成果が、さらなるノウハウとなります。


雑談に最後までのお付き合い、ありがとうございました。

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植松文也
専門家

植松文也(一級建築士)

ハウジング植松

建築は、プランニングで成否が分かれます。設計だけ、施工だけでなく、両方のバランスが重要です。法学部出身で一級建築士と1級建築施工管理技士を取得。設計・施工そして行政手続きまで、お任せ下さい。

植松文也プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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