1981年(昭和56年)は始まりの年

植松文也

植松文也

テーマ:建築よもやま話

中古住宅購入を検討されている方は、1981年(昭和56年)を是非覚えて、住宅選びの指標にして下さい。

1981年6月に新耐震基準が施行されました。
6月1日以降の建築確認が、新耐震基準での受付となったので、築年月が1982年1月以降であれば新耐震基準での住宅の目安となります。

旧耐震基準より、地震に対して強固であることは当然ですが、それより何より、大きな利点があります。


1.中古住宅ローン控除が無条件で受けられます。

従来は、耐火住宅築25年以内、非耐火住宅築20年以内という築年数の要件がありましたが、廃止となり、新耐震基準で建てられた住宅が対象となりました。築年数の要件が大幅に緩和されたのです。

ただし、木造住宅で築20年以上の住宅の場合は、瑕疵保険への加入が必要でした。
保険料もさることながら、加入のための修繕費用も掛かるため、大きな足かせとなっていました。
こちらも数年前に撤廃されています。

要するに新耐震基準であれば、中古住宅ローン控除の要件に該当すると、無条件に対象となります。


2.中古住宅のリフォームを行うと、リフォーム減税が利用できます。

旧耐震でも、少額とは言え優遇措置はあります。
リフォームの内容に応じたリフォーム減税が利用できます。所得税や固定資産税などで減税となります。
対象となるリフォーム工事の種類は「バリアフリー化」「耐震」「省エネ」「同居対応」「長期優良住宅化」などです。

ローンの利用の有無に関係なく控除が受けられます。
ただし、耐震リフォーム以外は、住宅ローン控除とリフォーム減税の併用はできません。

耐震リフォーム減税は、旧耐震基準の住宅を耐震基準に改修した際に使えます。
減税額も一番多額で設定されています。

旧耐震の中古住宅を購入する際のリフォーム工事では、新耐震への耐震化を行うことがお薦めです。


3.国の補助金や減税は、新耐震基準が前提です。

多くの住宅支援策は、新耐震基準を前提にしています。
2024省エネキャンペーンでは、新耐震基準を前提にしていませんが、今後の事業では限定される可能性があります。

予算の都合で、旧耐震基準の住宅を購入する場合は、耐震化が容易な平屋を選び「耐震リフォーム」を行いましょう。





余談ですが、一言。

1981年の新耐震基準はあくまでも最低ラインです。
2000年の現行基準は、より強固で安心です。
その後も、耐震基準は年を追う毎に、改善されています。

耐震化リフォームの際は、最新基準を目標にして下さい。


閑話休題。

耐震化工事は、思いのほか少額です。
旧耐震の住宅でも、手厚い支援策を活用して、住宅の耐震化を実現しましょう!

中古住宅を購入するなら、1981新耐震住宅を選び、ローン控除やリフォーム減税を活用して、グレードアップを目指して下さい。

雑談に最後までのお付き合い、ありがとうございました。

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Mybestpro Members

植松文也
専門家

植松文也(一級建築士)

ハウジング植松

建築は、プランニングで成否が分かれます。設計だけ、施工だけでなく、両方のバランスが重要です。法学部出身で一級建築士と1級建築施工管理技士を取得。設計・施工そして行政手続きまで、お任せ下さい。

植松文也プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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