第115回「春のお彼岸」
こんにちは、西部霊苑です。お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
今年も暑い夏が続いていまがまた少しずつ季節も進み、9月になるといよいよお彼岸の時期となりますね。
今回は「秋のお彼岸」についてお話させていただこうと思います。
【秋のお彼岸】
彼岸とは仏教の考え方で、煩悩のあるこの世のことを「此岸」言うことに対し、悟りを開いたあの世のことは「彼岸」言われています。阿弥陀仏がいらっしゃるとされる極楽浄土は西の方向にあるとされ、煩悩を無くす修行ではこの西方浄土に向けて祈られます。春分と秋分には真西に日が沈むことから、最も祈りが通じるとされ大切にされています。
こうした昼と夜の長さが等しくなる春分と秋分は、国立天文台の計算により数年先まで計算で春分日と秋分日が求められており、これを元に2年先までの祝日としての春分の日と秋分の日が国民の祝日として発表されます。
秋分の日は国民の祝日の祝日法で「祖先を敬い亡くなった人々を偲ぶ」ための祝日であることから、お墓参りする日とされています。お彼岸はこの秋分の日を中日とし、その前後の期間に1日ごとに悟りのための6つの修行を行うことから、この7日間がお彼岸の期間とされています。
2024年の秋分の日は9月22日(日)で、この日を中日とした前後3日間の9月19日(木)から9月25日(水)がお盆の期間となっています。
【彼岸会】
お墓参り以外にもお寺では「彼岸会(ひがんえ)」や「お彼岸法要」といった法会(ほうえ)が行われます。
これは日本にだけ見られる仏事のようで、極楽浄土に想いをはせ祈りをささげる行事です。個人でのお墓参りとともに、こうしたお寺で行われる仏事へ参加される方もいらっしゃいます。
【秋のお彼岸のお供えもの】
春のぼたもちに対し、秋のお彼岸にはおはぎがお供えされます。
どちらももち米と小豆を使ったあんこから作られますが、春は牡丹に見立てられるためぼたもちと言われ、秋には萩の花に見立てられるためぼたもちと言われます。
このぼたもちとおはぎに使われる小豆は赤い魔除けのため意味を持つとされます。小豆は秋のお彼岸の頃に採れるため、収穫直後のためつぶあんの状態でつくられ、春には少し時間が経っていることから小豆を加工したこしあんの状態でつくられます。
お供えの際にはお墓に直接食べ物を置かず、半紙などを敷いてからお供えするようにし、その日のうちに持ち帰るようにしましょう。
秋のお彼岸の頃の仏花には秋の時期のお花であるコスモスやリンドウ、ユリなどを選ぶのがよいでしょう。また時期を選ばず仏花として好まれる菊も、お彼岸の仏花として合わせやすいお花です。
生花をお供えする場合も墓地・霊園のルールで衛生上その日に持ち帰るようにされていることも多くみられます。
マナーやルールを守り、他の利用者の方も気持ちよく利用できるようなお墓参りをしていただければと思います。
暑さ寒さも彼岸までと言われます。今年も暑い日が続く夏ももう終わりが近づき過ごしやすい季節もすぐそこまで来ているかと思います。お墓参りには熱中症などに十分注意された上でお越しいただければと思います。
では次回コラムもよろしくお願いします。