第115回「春のお彼岸」
こんにちは、西部霊苑です。お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
さて5月も終わりが近づき、すがすがしい春の心地よい時期となりました。そしてこれから梅雨も迎え、そして日差しも厳しい夏に向かっていきます。
そうした時期の前にあらためてしっかりとお墓の掃除をしておこうと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は「お墓のお掃除の注意点」についてお話させていただこうと思います。
【お墓のお掃除の基本】
お墓のお掃除にはお水とやわらかい布やスポンジなどで行うことが基本です。墓石と言われるくらいなので多くの場合お墓には御影石などなにかしらの石が使われています。
こうした石材は種類によってそれぞれ異なりますが、すべての石において吸水性があります。
硬くて水などを吸わないような印象を持ちがちな石ですが、石も細かい粒子の集まったものですので、その隙間である細孔があり、ここから水分が通過してしまいます。
そのため苔やカビのようなものが付着しているからと言ってお墓で使用が推奨されているものではない強い洗剤を使用してしまうとその隙間から石の内部に染み込んでしまい、長期的な変色や石がもろくなってしまったりなど石を傷めてしまうことになります。
お墓の掃除では基本的に普通の水洗い、もしくは墓石への使用も可能とされている専用の洗剤を使うようにしましょう。
また墓石は表面は見た目の美しさのために研磨によってつやが整えられていますが、これにより苔などが付きにくくもなっています。お掃除にたわしや毛の硬いブラシなどを使ってしまうと表面に細かい傷が入ってしまいます。
お掃除の直後は汚れが取れていて綺麗になったように感じますが、後々こうした傷に汚れや苔が付きやすくなってしまいますので注意が必要です。
【お墓参りでも注意】
このようにお墓で使われている石材も注意は必要なものです。普段のお墓参りでも注意したいこととして、故人が好きだったなどの気持ちからお墓にお酒やジュースをかけることはさけるほうがよいでしょう。
またジュースの缶や錆びてしまう金属部分があるお掃除用具などを長期間墓石の上に置きっぱなしにしていると錆の色が石に染み込んでしまい、色がとれなくなってしまうこともあるのでこちらも注意が必要です。
【墓石の経年劣化】
お墓を建立する際には地域性や文化、好みなどによって石材を選ばれると思いますが、その美しさ、その見た目や状態はずっとそのままではありません。日焼けによる色の変化や雨風などによりもろくなってしまったり、石の種類によっては石に含まれる金属成分が錆びることによる赤サビによって赤っぽくなってしまうことがあります。
赤サビは錆を落とす洗剤で落とすことが出来る場合もありますが、これにより新たな石の劣化を引き起こすこともありますので、使用を考える場合にはお墓の建立を依頼した石材店などプロに質問してみるようにするのがよいでしょう。
墓石はただただ堅牢性が求められるものではなく美観も求められるとともにご先祖様の霊をまつる大切な象徴です。
お掃除の際にも大切に扱う気持ちを持っていただければと思います。
それでは次回コラムもよろしくお願いします。